HUAWEIは7月27日、独自OSの第3世代目となるHarmonyOS 3を中国にて発表した。同日発表された11型のタブレット端末「HUAWEI MatePad Pro」に初期搭載されるほか、9月から既存デバイスでのアップデートを開始する予定となっている。
米国の禁輸リスト入りを受け、Googleのサービスが利用できなくなったために登場したというイメージが強いHarmonyOSだが、開発自体は2017年から進められていた。その後、既存デバイス向けにもリリースされたHarmonyOS 2は、アップグレード開始から100日で1億台を突破。これまでにHarmonyOS 2を搭載したデバイス数は3億台を超えたという。
第3世代となるHarmonyOS 3では、外観的な変更に加え、パフォーマンスの改善やデバイス連携、そしてプライバシーの強化が図られている。
まずパフォーマンスだが、同社スマートフォン「HUAWEI P50 Pro」での比較では、HarmonyOS 2に対し、アプリの起動速度が7%、スライドの滑らかさが18%、アプリの応答速度が14%向上している。またGPUの消費電力は、他のシステムとして比較して23%少ないとアピールする。
デバイス連携では、スマートフォン、タブレット、PCなどを簡単に連携できるスーパーデバイス機能が拡張され、スマートウォッチやイヤホン、プリンターなど12種類のデバイスに対応した。
この機能に対応したデバイスであれば、いちいちBluetooth接続やテザリング、画面のキャストなどの操作をすることなく、連携させたいデバイスのアイコンをドラッグするだけで接続が完了。イヤホンであればBleutooth接続が行われ、ディスプレイであれば画面共有が行われる。
また、Bluetoothイヤホンに関しては、2組のイヤホンを1台のデバイスに同時接続できるようになる。ただ、どんなイヤホンでもいいわけではなく、「HUAWEI FreeBuds Pro 2」など特定のモデルに限定されるようだ。
プライバシー関連も強化。HarmonyOS 3では、各アプリケーションがカメラやマイクなどにアクセスしたログを一覧表示し、必要に応じてアクセス権を削除できるようになる。またAIにより、機密情報が含まれる写真を認識して削除するなどの機能も追加される。
HUAWEIは、9月に既存デバイスへの大規模なアップデートを開始するとしている。対象となるデバイスは発表されていないが、HarmonyOS 2を搭載しているデバイスであれば、アップデート対象となる可能性は高そうだ。
- Source:GSMArena