今年5月20日に発表された軽EVの2台、日産サクラと三菱eKクロスEVの売れゆきが絶好調だという。両車とも最廉価グレードで239万円台という価格設定になっているのだが、国から55万円もの補助金が出るのに加え、各地方自治体からも補助金が出る(東京都の場合で45万円)。
そんな軽EV2台は一般ユーザーだけでなく、クルマ好きにも刺さる内容となっているのだとか。その詳細について自動車評論家の国沢光宏氏が指南する。
文/国沢光宏、写真/佐藤正勝、三菱自動車
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■国からの補助金だけで55万円!
電気軽自動車の日産サクラと三菱eKクロスEVの売れゆきが好調だ。7月1日時点でのバックーオーダーについて日産と三菱の広報に聞いてみたら、いずれも「4カ月程度を考えていただければと思います」。
ディーラーに問い合わせてみたら地域差もあって、短ければ3カ月。長いと「年内には納車できると思います」。半導体や部品不足が伝えられるものの、生産は順調らしい。
さて、サクラとeKクロスEV、迷っているならどうか? ここは積極的に「買い!」だと思う。なんせ補助金がステキ過ぎる! 国から出る電気自動車への補助金はSAKURAとeKクロスEVだと55万円。
これだけでも239万円台のグレードならeKクロスのガソリン車「T」(ターボエンジン搭載。168万8500円)にかぎりなく近い184万円となる。サクラとeKクロスEV、ガソリンターボ車と同じ64psですから。
夜に安い電力料金プランを選べば(地域によって幅がある。以下は21.16円/kWhとそれほど安くない東京電力の場合)、15km走るのに使う電気代は40円程度。ガソリンなら160円だから4倍! 5万km走ったら、14万円対53万円になり、大差がつく。エンジン車より高い分は、2万kmも走ったらモトが取れてしまう。オイル交換もしなくてよいから、その分も浮く。
■減りゆくガソリンスタンドに行く必要もなし?
さらに素晴らしいのは、少なくなる一方のガソリスタンドに行かなくてもいいこと。もはやスタンドまで20分以上かかるような地域も出てきた。電気なら日本全国津々で使える。200Vの普通充電用のコンセントは、近所の電気屋さんに頼むと高くて2万~3万円あれば付く。
1時間の充電で20kmくらい走れる電力を貯められます。1日60km走る人は3時間の充電ということ。
サクラとeKクロスEV、東京都在住の方なら1秒も迷わず「買いでしょう!」と答えておく。東京都の場合、さらに45万円の補助金が出る! 139万円で買えるということ。
電気料金の安さまで考えると、100万円クラスの軽自動車と同じくらいの総合コスト(車両+エネルギーコスト)ですむ計算。東京都の軽自動車はすべてサクラとeKクロスEVになってもおかしくないほどのインパクトがある。
■440万円の「軽EV+V2H+太陽光発電」が164万円!
東京都在住で、この際「イッキに二酸化炭素排出量を減らしてやろう!」と思うのなら、太陽光発電と一緒に導入すると一段と面白い。補助金が30万円アップの75万円になるため車両価格は109万円に!
そのうえ、V2H(電気自動車の電力を電力不足時や停電時は家庭に流せる装置。工賃も合わせて100万円前後)を付けるなら全額補助! 3kWの太陽光発電ならさらに45万円の補助金が出る!
つまり、239万円の電気自動車と100万円のV2Hに100万円の3kW太陽光発電をセットで導入したら、通常439万円が164万円になるということ。これだけで需給状況が逼迫し、計画停電すらあると言われている今年の冬も、停電時はV2Hで通常どおり過ごせるし、電気料金を毎月1万円程度安くできる。東京都在住なら、この際、3点セットの導入を強く薦めておきたい。
■EVで気になるバッテリーの寿命は?
もう少し、サクラとeKクロスEVについて紹介しておく。電気自動車と言えば最も心配になるのが電気寿命。なかには携帯電話や12Vバッテリーと同じ4~5年でダメになると思っている人もいるようだ。
実際、初期の日産リーフなど、6年くらいで走行可能距離が100kmを割り込むケースなどあった。日産のアフターフォローも最悪なうえ、乗り替えようとしても下取り価格は激安という惨状。
その後、電池性能は上がり、電池寿命を落とさないような使い方などするようになり、サクラとeKクロスEVでは充放電回数が800回でも90%近くになってきたらしい。満充電航続距離を140kmとすれば、10万km走った時点で120km程度の航続距離を確保できるということ。軽自動車としての使い方を考えたら必要にして充分だと思う。大雑把な目安で15年/10万kmなら使えます。
サクラとeKクロスEVで迷ったらどうだろう? これからオーダーするとなれば補助金の予算切れが一番心配なところ。補助金、オーダー時点で決まるのではなく、納車時に申請するからだ。
安心できるのは年内納車。ディーラーに問い合わせ、年内納車可能なほうを選びたい。どちらも年内納車可能というのなら、デザインや自動車メーカーの好みで決めればいいと思う。
グレードはサクラとeKクロスEV、いずれも239万台のX(239万9100円)とG(239万8000円)を薦めておく。あれもこれも欲しくなって高いグレードを考えてしまうかもしれないが、軽自動車は基本的に毎日の生活の相棒。前記239万円台のグレードで安全装備はフルにつくし、充分豪華だ。オプションもアレコレ付けず、ナビもベーシックな後付けでいい。
いずれにしろ迷っている時間はない。欲しいなら今すぐディーラーへ!
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