知り合いの中古車販売店からメールが来た。内容はオートオークションでアルファードの未使用中古車が高騰しているというものだった。
その後、アルファードだけではなく、トヨタの人気現行モデルが軒並み高値で取引されているという連絡が来た。新車の納期遅延が発生しており、車検を迎えているユーザーをはじめ、すぐに欲しいユーザーはこのような未使用中古車に触手が伸びているのだろう。
オートオークションで値上がりしているということは、今後市場に出回る中古車相場も価格上昇は間違いない。
しかしこの情報を得て調べてみたら、すでに中古車市場に流通しているトヨタのSUVで値上がり傾向が始まっていた。ここではすでに値上がりしているトヨタのSUV中古車を紹介する。
文、写真/萩原文博
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6月を境に多くの車種が値上がりに転じた
そもそも中古車は、新車がデリバリーされないと発生しない商材だ。未使用中古車と呼ばれるものも同様だ。ショップやユーザーがオーダーし、一度登録したクルマが未使用中古車となるからだ。
では、現在のように新車の納期遅延が起きるとどうなるのか。それは中古車が市場から枯渇することを意味する。最近では残価設定ローンなどを利用するユーザーも多いので、3年目、5年目の中古車が出回るだろうが、ユーザーが再ローンを組んだりすれば出回らなくなる。
そうなると、需要と供給のバランスで成り立っている中古車相場は上昇してしまう。そこで連絡をくれた知り合いにオートオークションの出品台数は減っているのかと聞いてみると、それほど減ってはいないとのこと。
その理由は、通称スクラップと呼ばれる年式の進んだ軽自動車でも5万円。3.5Lエンジンクラスだと14万円のオークション会場買い取り保証があるからと話す。1年前は軽が1万円、3.5Lエンジンクラスが4万円だったので、オークションに出品すれば儲けが出る状態なのだ。
ちょっと話は逸れたので、元に戻そう。現在トヨタは最もボディサイズの小さい、ライズから受注停止となっているランドクルーザー300まで9モデルのSUVを取り扱っている。(注bZ4Xはキントのみで販売されていないので除外)
そのうち、ハリアーとランドクルーザー300を除く7モデルが値上がり傾向となっていた。ハリアーとランドクルーザー300はともに受注停止となっている人気モデルだが、ハリアーは価格の高い高年式車が市場から消えたこと。そしてランドクルーザー300は異常だった中古車相場が沈静化して、今のところ値落ち傾向となっていると考えられる。
まずは、トヨタのSUVラインアップの中で最小サイズのライズ。現在約1,923台と非常に豊富な流通台数を誇っていて、平均価格は約199.3万円。中古車の価格帯は約139.8万~約309.8万円となっている。
3カ月前の2022年4月時点では流通台数が約2,750台、平均価格は約199.8万円だった。2022年6月の約198万円を底値に値上がり傾向となっている。値上がり傾向よりも懸念されるのが流通台数の減少だろう。
この流通台数の減少はさらなる値上がりを引き起こすのは間違いない。続いてはヤリスクロス。現在約850台の中古車が流通していて、平均価格は約267万円。中古車の価格帯は約169.8万~約401.5万円となっている。
ヤリスクロスも2022年6月から値上がり傾向となり、わずか1カ月で12万円も平均価格が上昇している。
ヤリスクロスやカローラクロスの登場で、やや影が薄くなっていたC-HRもこれまでの値落ち傾向から値上がりへと動きが一変している。
現在、C-HRの中古車は約3,040台流通していて、平均価格は約210.3万円。中古車の価格帯は約90万~約409万円となっている。3カ月前の流通台数は約3,800台だったので、減少傾向となっている。
その一方で、中古車の平均価格は一旦約207万円まで値落ちが進んだものの、現在は約210.3万円まで値を戻している。値動きは小幅だが、C-HRまで値上がり傾向となったのには正直驚いた。
ハイブリッド車で納期遅延が長期化しているカローラクロスの中古車も値上がり傾向となっている。現在約225台の中古車が流通しているカローラクロス。中古車の平均価格は約325万円。価格帯は約189.8万~約493万円となっている
2022年6月まで中古車の平均価格は270万円台をほぼ横這いで推移していたが、7月に入ると暴騰。わずか1カ月で平均価格が約55万円という大幅アップ。3カ月前には約330台あった中古車が急激に減っているのは気になるところだ。
現行モデルに混じりランクル200も大幅上昇!
現行モデルの中古車が、約760台流通しているRAV4も値上がり傾向だ。現在の平均価格は約355.6万円。中古車の価格帯は約228.8万~約519.9万円。こちらも6月中旬から値上がり傾向となり、わずか1カ月で約10万円の値上がり幅を記録している。
そして2009年に登場し、約13年も販売しているロングセラーモデルのランドクルーザープラドも値上がり傾向だ。
現行モデルは約920台中古車が流通していて、平均価格は約449.9万円。中古車の価格帯は約196.9万~約738万円となっている。4月の約418.2万円を底値に値上がり傾向となった。流通台数もこの時点では約1,185台もあったので、流通台数が減少しているのは懸念材料だ。
そして、ピックアップトラックのハイラックスも値上がり傾向だ。現行型ハイラックスの中古車は約480台流通していて、平均価格は約413.6万円。価格帯は約270万~約599.8万円。ハイラックスも6月までの横這いから一変して値上がりし、わずか1カ月で約15万円の値上がり幅を記録している。
現行モデルではないが、ランドクルーザー200も3カ月前の平均価格440万円から現在は500万円まで値上がりしている状況だ。
新車の納期遅延がこのまま続くようであれば、さらに値上がり傾向を示す車種は拡大するはず。いつが買い時なのかじっくりと精査していきたい。
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投稿 トヨタ製SUV中古市場で急騰中!! 先の見えない納期延長でさらなる値上げの可能性も…?? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。