開催まで目前に迫ってきた鈴鹿8耐、EWCクラスにエントリーしているTransMapRacing with ACE CAFEは2015年の初参戦から2019年まで5年連続で完走を果たしているプライベーターチームであり、唯一の女性ライダーを起用しているチームでもある。
TransMapRacingは静岡県の運送会社を中心に、鈴鹿8耐の参戦を通じて地域に貢献することを目的として、2015年に結成されたレーシングチームである。鈴鹿8耐参戦の場で、車好き、バイク好き、そして仕事とレースの狭間で悩んでいるレーシングライダーに向けPR活動をしている。その活動は鈴鹿8耐だけに留まらず、2019年から今シーズンに至るまで全日本ロードにも活動を広げている。
そんなTransMapRacingは、今年もモータサイクルアパレルブランドACE CAFEとともに鈴鹿8耐に参戦する。ゼッケンは27番、スズキGSX-R1000にブリヂストンタイヤというコンビネーションでEWCクラスにエントリーしている。チームオーナーは鈴鹿8耐経験者でもある木佐森大介、チームマネージャーには海野弘剛、総監督は今まで数多くのレースカテゴリーのメカニックをこなしてきた小澤広芳が務める。
第1ライダーはTransMapRacing結成以来、鈴鹿8耐に参戦している大石正彦だ。2008年までは全日本ロードのGP250、ST600クラスに参戦しており、2015年からは鈴鹿8耐参戦をメインに活動を続けている。チーム8年目のベテランライダーが若手のふたりを引っ張っていく。
第2ライダーは今回の鈴鹿8耐で唯一の女性ライダー、平野ルナだ。2018年に全日本ロードのST600クラスに唯一の女性ライダーとしてデビューを果たし、2019年からはTransMapRacingから同クラスにフル参戦を開始、同年には初となる鈴鹿8耐も経験している。昨年の怪我から復帰し、今年でチーム4年目を迎える平野は、自身2度目の鈴鹿8耐に挑む。
第3ライダーは現在、全日本ロードST1000クラスで活躍している梶山知輝だ。現在27歳の梶山は21歳から本格的にサーキットでの活動を開始、2018年に筑波ロードレース選手権 CBR Dream Cupをランキング3位で終えると、その2年後には250ccから1000ccにステップアップし、同選手権のST1000クラスでランキング2位を獲得した。翌年の2021年から現在は全日本ロードのST1000で活躍している。この2年間でアプリリアRSV4、ヤマハYZF-R1を駆ってきた梶山だが、初めての8耐参戦にして初めてスズキGSX-R1000を駆ることになる。
6年連続の完走と総合20位を目標とし、来年のシード権を取ることを目指すTransMapRacing with ACE CAFE。ベテランライダーの大石、若手ライダーの平野と梶山、そしてスタッフが目標に向かってベクトルを合わせて全力を尽くし、鈴鹿8耐に挑む。