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「ねぶたしと思いて伏したるに、蚊の細声にわびしげに名のりて、顔のほどに飛びありく」。枕(まくらの)草子(そうし)の一節である。夏の夜だろう。眠いのに蚊に「ブーン」と飛び回られては誰でも腹が立つ。清(せい)少(しょう)納言(なごん)は「にくきもの」の一つに挙げている▲蚊も睡眠の邪魔…