クルマを買い替える際に、付いてまわるのが「下取り(買取)」の問題だ。大切に使ってきた愛車は、出来るだけ高額で引き取ってほしい。
そこで本稿では、下取り条件が良くなるポイントを考えていく。査定をするディーラー営業マンが何を見ているのか、値付けの裏側も探っていこう。
文/佐々木 亘、写真/TOYOTA、ベストカー編集部
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■需給で決まる下取り価格! 左右するのは「人気」
同一品質で提供される新車と違い、1台1台のコンディションが異なる中古車では、クルマの状態に対して、厳正な値付けが行われる。
こうした中でも、中古車を語る際に欠かすことが出来ない概念が「人気」だ。下取りの値付けに対して「人気」の影響は大きい。
例えば、2022年現在で考えると、セダンやクーペよりも、ミニバンやSUVを求めるユーザーが多く、市場の需要は高いだろう。軽自動車でも、ロールーフよりもハイトワゴンの方が人気だ。
同じ年式、同程度の傷や損傷の具合、同じくらいの走行距離で、新車時の車両価格が同じくらいのセダンとSUVがあれば、今なら間違いなくSUVの方が高値で下取りされる。
また、同じクルマであればグレードの違いにも注目したい。ベースグレードよりも中位グレード、さらには上級グレードの方が下取り価格は高くなるが、中には特定車種の限定されたグレードだけ、下取り価格が跳ね上がるというケースもあるのだ。
例としてはヴォクシーの「煌シリーズ」、ヴェルファイアの「ゴールデンアイズ」やアルファードの「Sタイプゴールド」など。いずれも特別仕様車で、最上位グレードをベースにしたものではないが、中古車市場でも探し求めるユーザーが多く、他グレードに比べて下取り価格は優位だ。
下取りの事だけを考えれば、人気のカテゴリーの中からクルマを選び、その中でも多くのユーザーが選ぶ人気グレードを選ぶべきだろう。そして無難なボディカラー(白・黒)を選んでおけば、大きく期待を裏切るような結果は出ないはずだ。
■駆動方式やハイブリッドの有無、細かな仕様はどう影響する?
新車価格では15~30万円程度の違いが出るのが駆動方式の選択。2WD(前輪駆動・後輪駆動)をベースにする車が多く、4WD(AWD)にすることで、新車販売価格は高くなる。
販売価格が高いから、駆動方式は4WDにした方が下取りは有利になりそうだが、一概には、そう言い切れないのが難しいところ。ここにも人気(ユーザーの需要)が大きく影響するのだ。
例えば、舗装路面以外での走行性能を期待して購入するクロスカントリー風のSUVでは、4WDを求める人が多い。
対して、ロー&ワイド強調し、流麗なボディラインと低い重心を売りにするスポーティセダンでは、AWDが敬遠される。AWDを選択することで最低地上高が高くなり、デザイン性を損なうという声があるのだ。
また、ハイブリッドやディーゼルなどが、新車販売当初から「売り」の一つとなっているクルマでは、出来るだけ「売り」のエンジンを選んだ方が、査定は高くなる。
例えばトヨタ・マツダといった、ハイブリッド・ディーゼルに強いイメージを持っているメーカーのクルマは、純ガソリンエンジンよりもプラス査定が期待できるだろう。
逆にエキゾーストノート(エンジン音)を楽しみたいクルマ(スポーツモデル等)では、ハイブリッド等の選択肢があっても、純ガソリンエンジンの方が高く評価されるケースもある。
4WDにしてもハイブリッドにしても、価格が高くなり、付加価値的に扱われるためプラス査定が期待できるが、車種やカテゴリーによっては、良い印象を与えないことがあるのを知っておくと良いだろう。
■これは付けちゃダメ? 査定価格を下げられる可能性があるオプション
オプションに目を移すと、近年では予防安全パッケージの装着有無が、査定額を大きく左右する。次いで、サンルーフの有無、LEDヘッドランプの装着などが、査定時に高評価を受けるオプションたちだ。
気を付けたいのが社外用品。エアロパーツやバケットシート、社外アルミなどはディーラー査定では評価されにくい。
そればかりか、純正状態に戻さないと中古車として売れない場合も多く、状態によってはマイナス査定となるケースもある。取り外した純正部品は、出来るだけ保管しておき、保有していることを査定する営業マンに伝えると良いだろう。
意外なところでは、ドアエッジを保護するためのモールや、ドアハンドル内側に貼り付ける保護フィルム等が査定に悪影響を及ぼす可能性がある。
クルマを綺麗に保つための保護材だが、長期の貼り付けによって、貼り付け部分とそれ以外の部分でボディ色が変わってしまったり、塗装を痛めたりするなど、ステッカー貼付と同じように減点されることがあるのだ。
査定のルールは一般ユーザーにとってわからない部分が多くある。まずは世の中の人気をある程度知っておくと、査定時の大幅減点は避けられる。リセールバリューを気にするなら、人気の肝を押さえながら、新車購入を検討していきたいところだ。
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