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<p>銀行詐欺スキャンダルに住宅ローン返済拒否、中国で社会的緊張高まる</p><p>銀行詐欺スキャンダルに住宅ローン返済拒否、中国で社会的緊張高まる</p><p>政府の厳しい銀行統制と自由奔放な消費者金融ビジネスが入り混じる中国で、社会的・経済的緊張が高まっている。</p><p>大規模な銀行詐欺 に遭い返金を要求する銀行預金者と警察との間で激しい対立が起きていた。河南省の省都、鄭州で5月に端を発したこの スキャンダル は、地方の銀行システムが抱えている問題を露呈させた。 鄭州での地方銀行に対する抗議行動、3000人余りが参加した(7月10日) Photo: EyePress News/Shutterstock 捜査当局によると、地方の銀行 5 行の大株主である河南新財富集団は一部の銀行員と共謀し、預金・投資資金約400億元(約7850億円)を盗み取った。オンラインプラットフォームで預金者を誘い込み、資金を移すため融資契約をでっち上げたという(河南新財富は業務を停止しており、関係する銀行は被害に遭った顧客に資金を 取り戻す ためオンラインで情報を登録するよう求めている)。 中国人民銀行(中央銀行)は最近、地方の銀行約300行をリスクの高い貸し手だと特定。中国の広大な農村部には3800行もの銀行がある。香港大学ビジネススクールの陳志武教授(金融学)は「中国の銀行システムに対する信頼が大きく揺らいだ」と指摘。「農村部の銀行に対する規制が厳格化されると思う。統合や閉鎖が行われるだろう」と述べた。 中国の金融市場は、資産規模で世界最大の銀行、 中国工商銀行 を含む主要な国有銀行5行が圧倒的な存在感を示しているが、政府のデータによれば、地方の金融機関は合わせて49兆元の資産を保有。これは業界全体の14%に相当する。 米ピーターソン国際経済研究所のマーティン・チョーゼンパ上級研究員によれば、「今回のスキャンダルで分かった最も重要な教訓は、規制システムが規制を適切に実施できなかった」ことだ。 「こうした小規模な銀行はオンラインプラットフォームを用いて管轄外から預金を集めてはならないという規定があったが、実際にはかなり大規模にそうしたことができてしまった」と語った。 この問題は政治的に極めてデリケートな時期に起きた。中国共産党は5年に1度の党大会の年内開催を控えており、習近平総書記(国家主席)は異例の3期目を目指すとされ、何よりも安定が重視されている。当局は預金を失った被害者の多くへの</p>