アメリカのペロシ下院議長が2日深夜、台湾に到着した。アメリカにおける下院議長は、大統領継承順位2位という要人中の要人だ。
米中双方が軍用機を飛ばし合うなど一触即発ムードが漂う中、ペロシ氏が本当に台湾入りするかどうかに世界の注目が集まり、英公共放送BBC、英通信社ロイターなどが歴史的瞬間を生中継していた。
NHKはじめテレビ局は中継せず
そうした中、ネット民の注目を浴びているのが、日本の地上波テレビ局がその瞬間を、一切中継していなかったことだ。ペロシ氏が台湾に到着したのは、日本時間午後11時50分頃。NHKでは「国際報道2022」日本テレビは「news zero」、TBSでは「news23」といったニュース番組が放送されていたが、ペロシ氏の訪台が大々的に扱われることはなかった。
2日夜にペロシ氏が台湾入りするのは、事前にわかっていたことで、ペロシ氏の訪台をきっかけに米中の武力衝突の危機も報じられていた。沖縄の那覇から台湾の台北までの距離は約620キロ、日本最西端の島、与那国島からは約110キロしかない。与那国島からは年に数回、台湾の山並みが見えることもあるという。世界地図で見れば、日本の目と鼻の先に台湾がある。そうした中での、テレビ局の姿勢に、ネット民の多くは憤りの声を上げていた。
「公共放送の役目を果たしてない!」
ペロシ訪台という歴史的光景をインターネットでしか見られなかった。地上波、特に公共放送を喧伝し、受信料を強制徴収しているNHKはいったい何をやってるんだろう?
「NHKがペロシ議長の台湾訪問を中継しなかった件は、国会で取り上げて欲しい。公共放送の役目を果たしてない!
ペロシ氏が台湾に到着するので全世界が注目しているのに日本の地上波メディアはほとんど放送しないのか・・・・安全や株価に影響及ぼしているのに・・・・終わっている・・・・
なによりびっくりするのは地上波がNHKを含めどこもリアルタイムで流してないこと。ちょびっとだけ日テレが速報で流しただけ。日本の現状にほんとに危機感を覚える。
米国ナンバー3のペロシ下院議員の台湾訪問を日本の地上波はどこも報じない。yahooの記事もスルー。こうして日本は世界から取り残されていく。
元衆院議員の斉藤淳氏も「どこもペロシ訪台生放送しておらず」としたうえで、地上波各局の姿勢に「対中配慮しすぎ」「日本のテレビ放送腐敗し過ぎだろ」と厳しく指摘した。
地上波チェックしたが、どこもペロシ訪台生放送しておらず。
テレビ局、対中配慮しすぎ。
最近の一連の放送も合わせ考え、日本のテレビ放送腐敗し過ぎだろ— 💙💛 斉藤 淳 💙💛 (@junsaito0529) August 2, 2022
ペロシ氏の台湾到着から一夜明けた3日もテレビ局の扱いは、本来のニュースバリューに比べると小さく、申し訳程度にしか取り上げていないように見える。
安倍晋三元首相は昨年12月に台湾で開催されたシンポジウムで「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」と述べたが、昨夜の地上波テレビ局の報道姿勢からは「日本も台湾有事の当事者である」という危機感は伝わってこなかった。