JDM(日本市場専用モデル)レトロ。これらは日本発のクラシック復刻なモデルで、三菱コルト、ホンダS2000、日産ブルーバードに新しい命を吹き込む可能性がある。
年間約800万台の自動車を生産する日本は、中国、米国に次ぐ第3位である。しかし、ドイツでは、韓国勢が日本勢を苦しめつつある。
今、その勢いを取り戻すべく、日本メーカー三社が新たな方向の可能性のある3つの名作を、コンピュータ上で再スタートさせた。
三菱コルト
三菱は2023年に「コルト」(ミラージュ)を復活させると発表し、最初のスケッチ(上掲画像)は、新しい小型車を示唆している。初代ミラージュをモチーフにしたものだがもちろんコンピューターグラフィックスである。
日産ブルーバード
「日産ブルーバード」の歴史は1957年にさかのぼり、1973年からはドイツでもミドルサイズサルーン(当時はまだダットサン ブルーバードと呼ばれていた)が提供されていた。1990年、ドイツでは「日産プリメーラ」となり、本国では「ブルーバード シルフィ」の名で2000年代まで生き続けた。ドイツでは中古の「ブルーバード」が希少な存在となっており、ドイツから撤退したブランドにとって、ニューバージョンは確かに懐かしくは感じられるだろう。
ホンダ S2000
1999年に発売された日本のロードスター、「ホンダS2000」の売られていた時期はわずか10年で、2009年までドイツで約4,500台が販売された。
特徴的なのは、9000回転以上まで回る高回転型の240馬力4気筒VTECエンジンであった。これは、ニューエディションでは、間違いなく純電動で前進することになる。
【ABJのコメント】
BEVをレトロルック、というか今まで存在していたモデルで復刻するという方向性は世界中で行われている。市販車ではすでに「フィアット500」も売っているし、最近ではルノー5のBEVが写真付きで紹介され、これはなんともいい感じの仕上がりで、個人的にほしいと思ったものである。
今回レポートされた日本の自動車3台を元ネタにしたコンピューターグラフィックスがどこからどうやって出てきたのか、さっぱりわからない部分も多いのだが、正直どれを出してもちょっと大人気を博すかどうか、ぼくにはなんとも言えない部分が多い。
なかでも「ブルーバード オージー(そこのあなた覚えていますか?)」風なブルーバードを復刻させた?5ドアハッチバックのモデルなど、いったい全体これでいいのですか?と聞きたいようなコンピューターグラフィックスで、これなら「510」か「810」あたりを復刻させるか、「アテーサ」など書いたほうが、まだ洒落が感じられたようにも思う(そういえば、シルビア復刻みたいなプロジェクトはどこにいったのだろうか?)。
「S2000」復刻も、ちょっとなんともビミューで、これだったら「ビート」か「S(もちろん昔の)」、あるいは「Nコロ」あたりをBEVにしたほうがいいような気もする。「バモス(これももちろん昔の)」だったりしたらもっと楽しいだろうなぁ。
初期の「ミラージュ」ベースと思しき一台は3台の中では一番まとまっているが、これなら「ランサーEX」とか、いっそのこと「コルト」あたりでもいいような気もするし、レトロならなんでもいいかというと、決してそんなことはなく、元ネタが何かが一番大切で、その車がその当時に魅力的な存在であったかどうかが、最重要な部分と思えるのである。(KO)
Text: Michael Gebhardt
加筆: 大林晃平
Photo: Mitsubishi / Nissan / autobild.de