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他者との関係は妄想から始まる。だからこそ、全ての人間関係はどこかいびつなものにならざるを得ない。作家の辻原登さんの新刊『隠し女(め)小春』(文芸春秋)は、そんな人間関係の非対称性を、サスペンスの手法で浮かび上がらせた小説だ。 「人と人との関係の基本にあるのは、妄想や幻想。人は誰し…