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Image:Michael Vi/Shutterstock.com

暗号通貨の価格が下落したことでマイニング需要が陰り、GPUが市場でダブつき相場が下落していると報じられていた。そんななか、NVIDIAが次世代GPU「GeForce RTX 40」シリーズ用のウェハーを発注しすぎたため減らすことを望んだが、TSMCが応じなかったとの噂が伝えられている。

台湾の電子部品業界情報誌Digitimesによると、アップルとAMD、NVIDIAの3社がTSMCに発注内容の変更を希望しているそうだ。

アップルは今年秋の「iPhone 14」シリーズの出荷目標を1億台から9,000万台に引き下げ、それに伴いチップの発注も減らすとのこと。またAMDは7nmおよび6nmプロセス製造の発注を2万枚削減したと伝えられている。

さてNVIDIAは現在、GPU市場の飽和と次世代GPUのニーズが減るおそれに直面しているという。マイニングの衰退が一気に進んで新品のグラフィックボードは在庫が満杯となる一方で、中古品が市場に流れ込み、ゲーミングPCの需要も思ったほど伸びていないとのこと。そのためNVIDIAは5nmプロセスのRTX 40シリーズにつき、計画を調整せざるを得なくなったと述べられている。

海外メディアVideocardzは、NVIDIAはRTX 30シリーズの在庫を大量に抱えているが、まだ価格を下げる気はないようだという。その一方で中古市場にも元マイニング機材がダブついているため、RTX 40シリーズの需要はどう考えても厳しい、というわけだ。

NVIDIAはTSMCに5nmウェハーの前払いをしたものの、TSMCは発注削減に応じる気はないという。その代わり出荷時期を1シーズン、または2023年第1四半期へと遅らせることしか認めないとのことだ。

これまで快進撃を続けてきたTSMCだが、アップルが新型iPhone用のチップ発注を減らし、マイニングやゲーミングPC向けのGPU需要が右肩下がりになれば、成長にもブレーキがかかるのかもしれない。