今年秋に発売される「Apple Watch Series 8」には、体温センサーが搭載されるとの噂が何度か報じられていた。それを裏付けつつも、「発熱を知ることができる」などの詳細な情報が伝えられている。
Bloombergの名物記者であるMark Gurman氏は、ニュースレター「Power On」最新号で、今後どのようなアップル製品が登場するかの見通しを語り、その中で次期Apple Watchにも言及している。
それによれば、Apple Watch Series 8およびエクストリームスポーツ向けの「頑丈エディション」には体温測定センサーが搭載されるという。その一方、廉価モデルの後継機種「Apple Watch SE2」に搭載される可能性は低いとのことだ。
この体温測定機能は「熱があるかどうかを知ることができる」程度だという。額や手首にかざす体温計のような具体的な数値は出ないが、熱があると判断した場合は通知し、医師に相談したり、専用の体温計を使うよう勧めるかもしれないそうだ。
手首に巻いたApple Watchで体温測定が難しいことは、著名アナリストMing-Chi Kuo氏も述べていたことだ。それは「皮膚の温度が外部環境に応じてすぐ変化する」ためであり、構造的に深部体温が測れないことから、(分析する)アルゴリズムの開発に力が注がれていると説明されていた 。
今回の噂話では、どうやら大ざっぱな身体の状態が分かるぐらいで、必ずしも医療情報が得られるわけではないとうかがえる。つまり、心電図アプリのようにFDA(米国食品医薬品局)に「医療機器」としての認証を受けない、ということだろう。
これには、Series 6以降に搭載された「血中酸素ウェルネス」アプリという前例がある。「血中酸素濃度」という医学用語を直接に使っていないのは、FDA認証を受けていないためだ。正式に病院と連携ができないデメリットもあるが、認証を受けるためには長期間を要するため(日本でECGアプリを使えるまでに数年かかった)「全世界ですぐ使えること」を優先したと思われる。
Gurman氏は、他のハードウェアの変更は「おそらく」軽微なものになるだろうと述べている。同氏は先週、Apple Watch Series 8はSeries 6と同じS6(相当のチップ)を搭載し、プロセッサーの更新は来年のSeries 9になるとの予想を伝えていた。
もっともGurman氏は最後に、新型ハイエンドモデル(Series 8)のディスプレイが新しくなり、さらに明るくなることを期待しているとも付け加えている。処理性能アップはなさそうだが、文字盤が見やすくなり、操作性が向上するのかもしれない。