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Image:Couleur/PIXNIO

I’ll be back…と言っていたかどうかは定かではないが、往年のMP3プレーヤーソフト「Winamp」が帰ってきた。バージョンは5.9 RC1 Build 9999だ。

Winampと言えば、1997年にシェアウェアとしてリリースされたMP3プレーヤーソフト。当時急速に音楽再生用フォーマットとして普及したMP3のほか、プラグインで様々なエンコード形式のファイルを再生できたことが人気を呼んだ。

その後AOLによる買収と失速、ベルギーのオンライン ラジオ企業Radionomyによる買収といった紆余曲折を経るうちに、音楽リスニングの主流はiPod+iTunes~スマートフォンによる再生へと変遷した。

Winampの最新バージョンはこれまで、2018年10月にリリースされた5.8(Build 3660)が最新のものだった。Radionomyは当時、新バージョンのWinamp 6を2019年に発表すると述べたが、その後音沙汰はなかった。

今回はWinamp 5.9 RC1ということで、4年前に予告されたWinamp 6と同じものかどうかはわからない。ただPitchforkによれば、アプリは最新のコードベースに移行して開発されており、今回のリリースの後も新機能の追加が予定されるとのこと。

すでに音楽リスニング体験は、音楽ストリーミングサービスが主流の地位を占めるようになっており、サービスによってはハイレゾストリーミングや空間オーディオなども、対応するヘッドホンやイヤホン、スピーカーで楽しめるようになっている。

とはいえ、環境を移行して使い続けてきた手持ちPCのストレージの片隅に、かつてせっせとCDなどからリッピングしたMP3ライブラリーを残している音楽好きなユーザーもいるかもしれない。Winampの新バージョンはそんな、時を超えて生き残ったライブラリーを当時の雰囲気で楽しむのに最適なソフトと言えるだろう。

もっとも、その貴重なライブラリーの中身が、容量をケチって64kbpsや128kbpsそこらでエンコードした”耳がショワショワする”ファイルばかりなら、そっとフォルダを閉じ、ストリーミングアプリやハイレゾ音源のフォルダを開くことをおすすめする。