三菱ケミカルグループは子会社の田辺三菱製薬が2月にカナダで承認取得した新型コロナウイルスワクチンについて、事業計画を見直すことを明らかにした。米国工場で商用規模への量産に課題が見つかり、最大7600万回分の契約を結ぶカナダ政府への供給ができないという。9月までに承認申請する計画だった日本の実用化も遅れる。
田辺三菱子会社の加メディカゴが手がけるコロナワクチンはたばこ属の葉に遺伝子を組み込んで抗原を作る。段階的に生産を引き上げる「スケールアップ」に課題が見つかり、計画通りに量産できない状況という。
原因究明と並行し、事業計画を修正する。メディカゴに21%出資する米たばこ大手フィリップ・モリス・インターナショナルなどと協議する。世界保健機関(WHO)への申請も取り下げており、三菱ケミカルグループのワクチン事業は大きな戦略見直しを迫られる。
新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)
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