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 マクラーレンF1のダニエル・リカルドは、チームがパト・オワードとコルトン・ハータというふたりの若いインディカードライバーにF1テストの機会を提供したことは、自分の契約には一切影響しないと語った。また、7月にリカルドが、現契約期間に変更はなく、2023年にチームにとどまるという声明を発表したことについて、チーム代表はそれが事実であると認めた。

 マクラーレンは、インディカー・シリーズのスターであるふたりにテストの機会を与え、F1マシン走行のスキルを評価した。オワードが2021年シーズン末のアブダビテストに参加した一方、ハータは7月にポルティマオで行われた2日間のテストに参加し、マクラーレンの2021年型F1マシンを走らせている。

 両者は初のF1マシン走行で良いパフォーマンスを見せており、今シーズンのFP1でどちらかひとり、もしくはふたりが走行の機会を得る可能性がある。FIAはシーズン中、2度の金曜フリー走行で若手ドライバーを起用することをチームに義務づけており、マクラーレンは後半戦にその義務を果たすことになる。

パト・オワード(マクラーレン)
2021年F1アブダビテスト パト・オワード(マクラーレン)

マクラーレンF1のテストに参加したコルトン・ハータ
マクラーレンF1のテストに参加したコルトン・ハータ

 オワードもハータもF1昇格に強い関心を示している。しかしマクラーレンとの契約が2023年末まで続くリカルドは、これらのテストが彼にとって、将来的に起き得る事態の前触れではないと断言した。

「それはメディアが作り出した話に過ぎないと思う」とリカルドは『Fox Motorsport』に語った。

「たとえコルトンのようにF1テストに参加していようと、どのインディカードライバーにとっても、彼らのプログラムは完全にインディカーに限られている。彼らにとってはF1マシンを走らせるチャンスではあるが、F1へのクロスオーバーはない」

「メディアはこうした様子を見て、『何が起こるんだろう、F1シートの可能性があるんだろうか?』などと考える。けれど、それは彼らの予想に過ぎない。チーム内部では、チームとしての立ち位置も、誰がどのカテゴリーで走るのかも、すべてはっきりしている。心配することは何もない」

 7月半ば、リカルドはマクラーレンとの契約が2023年末まで続くというメッセージをソーシャルメディアに投稿した。リカルドは、この投稿の目的は自分の将来の状況を明確にしておくことだったとしている。

「雑音は常に聞こえてくるものだ」とリカルド。「そうだね、最近もそうした雑音が増えていたと思う。だから自分自身で声明を出した。僕はただ、事実関係を明確にしておきたかったんだ。みんながそれぞれ推測することなく、僕から直接話を聞けるようにしたかった」

2022年F1スペインGP ダニエル・リカルド(マクラーレン)とCEOザク・ブラウン
2022年F1スペインGP ダニエル・リカルド(マクラーレン)とCEOザク・ブラウン

 リカルドがソーシャルメディアに上げたメッセージについて聞かれたマクラーレンF1代表のアンドレアス・ザイドルは、投稿内容はチームのスタンスと完全に一致していると述べた。

「我々の観点からは、どのような憶測も不要だと考えている」とザイドルは語った。

「契約があるということは、これまでも明確にしてきた。いま我々はダニエルとともに、パフォーマンス面で最後の数パーセントの余地を探ることだけに注力している。それがいま注力している課題だ。彼の声明にはなんの驚きもなかった。我々はともにあるということを確認したに過ぎず、それはチームが何カ月も前から言ってきたことと同じだ。したがって、驚くような話はない」

 ハンガリーGP後にマクラーレンには、アルピーヌのリザーブドライバーであるオスカー・ピアストリとの契約のうわさも持ち上がっているが、チームはこれについてコメントしていない。