8月4日、北欧のフィンランドで開催される2022年WRC世界ラリー選手権第8戦『ラリー・フィンランド』が開幕した。競技初日のデイ1は、サービスパークが置かれるユバスキュラの市街地でSS1が行われ、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)がベストタイムを記録して総合首位に立った。2番手に僚友オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が続き、3番手には第2のホームイベントを戦う勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)がつけている。
前戦エストニアから続く超高速グラベル(未舗装路)イベントの第2ラウンドとなるラリー・フィンランドが4日、ラリーの中心地となるユバスキュラで幕を開けた。オープニングデーはシェイクダウンとセレモニアルスタートを経て、市街地ステージとなる“ハルユ1”でSS1が実施されている。
このオープニングステージでベストタイムを記録したのは、ドライバー選手権2位につけるヌービルだった。彼は2分41秒7という全体ベストをマークして初日トップに立ったが、5日(金)以降の展開を楽観視していない。
「僕はもともとこれらのスーパーSSが好きで今回も楽しむことができたが、明日はまったく違う世界になる」とヌービルは語った。
木曜朝のシェイクダウンでは9番手にとどまった彼は、「今のところ、マシンのフィーリングは良くない。シェイクダウンでセットアップを変更したから、明日はもっと良いフィーリングになるように祈っている」と付け加えた。
そんなヌービルから1.2秒の後れを取ったタナクが全体の2番手に。さらに1.4秒後方の3番手には日本人WRCドライバーの勝田が入っている。なお、勝田のGRヤリス・ラリー1は、最大100kW(約135PS)のモーターアシストが得られるハイブリッドブーストが使えない状態だったという。
今季7戦5勝という目を見張る成績で母国に凱旋したカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、勝田と0.1秒差の4番手で初日を終えた。トップと3.2秒差の総合5番手には、同じくフィンランド人で今イベントが“ラリー1デビュー戦”となるヤリ・フッツネン(フォード・プーマ・ラリー1)が続き、まったくの同タイムでトヨタのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が並んだ。
さらに、この後方では7番手につけたエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)、8番手ピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)、9番手となったオリバー・ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1)の3名が、トップと3.8秒差の同タイムで並んでいる。
10番手以降はMスポーツ・フォードWRT勢が連なる結果となり、アドリアン・フルモー、クレイグ・ブリーン、ガス・グリーンスミス(ともにフォード・プーマ・ラリー1)というオーダーになっている。
本格的なグラベルラリーがスタートする5日(金)のデイ2は、ラウカーやランカマーなどの伝説的なステージでラリーが実施される予定だ。競技2日目に行われる9本のSSの走行距離は124.91km、リエゾン(移動区間)を加えた1日の総走行距離は528.01kmとなっている。