いすゞ自動車が運営する「いすゞプラザ」(神奈川県藤沢市土棚)で、7月23日、7月30日の2日間、地元の藤沢市消防局とコラボした、「夏休み親子消防イベント」が開催された。
同イベントは、市民の命を支えてきた藤沢市消防局と、消防車などの車づくりを通じてその活動を支えてきたいすゞ自動車、双方の活動を知ってもらうための催し。親子で楽しめるように、はしご車などの消防車のデモンストレーションなども行なわれた。
文・写真/フルロード編集部
■いすゞ藤沢工場と藤沢市消防局
いすゞ自動車の藤沢工場は、小型~大型商用車の組み立てを行なう国内マザー工場の一つで、1962年に操業開始。トラックの生産だけでなく、長年、神奈川県藤沢市の地元に根付き、地域雇用の創出を担ってきた。
今回イベントが開催されたいすゞプラザは、その藤沢工場のお隣にある施設で、いすゞ創業80周年を記念し2017年に開館された。最新のトラック・バスや歴代のクルマの展示、トラックの仕組みを体験できるコーナーなど、いすゞのものづくりや歴史を、見て知って学べる施設となっている。
また同施設は近隣小学校の社会科見学の場になり、定期的にイベントも開催されるなど、無料で誰でも入館できる施設として地域住民をはじめ多くのヒトに親しまれている。
いっぽう、藤沢市の防火・防災を担う藤沢市消防局は、藤沢南消防署と藤沢北消防署の2つの消防署と13の出張所から成り、484人ほどの職員で、約44万人の藤沢市民の暮らしを守っている。
藤沢市は日本一海水浴客が訪れるといわれている片瀬浜・鵠沼海水浴場があるため、同局は鵠沼水難救助隊という水難救助の専門部隊を配備する。
また、今年4月には全国の消防本部で初となる送水と排水機能をもった「遠距離送・排水システム車」を導入するなど、東京消防庁や政令都市以外では珍しい部隊・消防車を保有しているのが特徴だ。
■リモート中継と消防車のデモンストレーション
今回のイベントでは、藤沢南消防署といすゞプラザをリモート・ライブ中継をつなぎ、この遠距離送・排水システム車や、高度救助隊がメインで使用している救助工作車などの消防車、装備、隊員の役割などを紹介。
このライブ中には実際に消防車が救急支援出動(消防隊や救助隊が救急隊の活動をサポートする出動)する場面もあり、臨場感あふれる中継となった。
話し手として登壇した藤沢市消防局の消防総務課・森高宏氏によれば、夏本番を迎え救急隊の出動件数は非常に多くなっているそうで、最近は一日約10件ほど救急車が出動。あわせて救急支援出動する消防車の件数も増加しているという。
ライブ中継後には、いすゞプラザの屋外で消防車のデモンストレーションを開催。救助工作車に搭載されているエンジンカッターやスプレッダーなど破壊工具の実演や、はしご車の乗車体験などが行なわれた。
今回用意されたモリタ製(ベースはいすゞギガ)のはしご車は、梯体の長さ40m。乗車体験では40mの限界まで伸ばしてくれるサービス付きで、バッケットに子供と一緒に乗り込む母親からは「想像以上に高いんですけど!」とのお声もあがっていた。
なお、「夏休み親子消防イベント」は今回限りだが、いすゞプラザでは8月6日より、「南極の『運ぶ』を支えるいすゞ」と題して、南極観測隊が実際に使用していた雪上車(SM40S)や南極の氷、貴重な資料の展示を開始する。
現在いすゞプラザはコロナウイルス蔓延防止のため完全予約制となっているが、興味のある方は藤沢市まで足を延ばしてみてはどうだろうか。
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