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ロッキー/ライズは10個も!? なんで最近のクルマはカップホルダーまみれ!?

 15年くらい前のクルマは多くとも5個くらいであったカップホルダーだが、今や全席に付いているのは当たり前。下手すると乗車定員の倍以上も用意されている車種もあるほど。

 昔は乗車定員分のカップホルダーが確保できず、カー用品店で別売りのカップホルダーを買い、取り付けることも多かった。しかし、今では使いきれないほどのカップホルダー搭載されているのだった。ここ10年程度で人間が飲む量が変わったわけじゃないのに、なんでここまでカップホルダーまみれになったのか!?

文/佐々木 亘、写真/TOYOTA、HONDA、DAIHATSU

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■20年前なら5人乗りで4つが当たり前! 今や乗車定員より格段に多く設置

筆者の愛車である2012年式(30系)トヨタ プリウスは、センターコンソールに2つ、リアシート用のひじ掛けに2つのカップホルダーが搭載されている

 カップホルダーがある場所と言えば、フロントシート用がセンターコンソールやインパネ部分に2つ、リアシート用がドアポケットやひじ掛け部分に2つといった具合。5人乗りのクルマに、4つのカップホルダーがあれば十分な装備と20年前のクルマであれば言えただろう。

 筆者の乗る2012年式(10年前)の30系プリウスになると、センターコンソールに2つ、リアシート用のひじ掛けに2つ搭載されており、さらにフロントドアポケットにはボトルホルダーが備えられるようになった。

 それでもカー用品を提供する各メーカーは、プリウス専用を謳い、シフト下の空間をカップホルダーにしたり、エアコン吹き出し口やグローブボックス上をカップホルダーにしたりするグッズを開発している。ここまでは、カップホルダーが足りないと思う時代が続いていたが、この10年でカップホルダー事情は大きく変化した。

■ミニバンよりコンパクトカーが断然多い!? ロッキーライズはまさかの10個

ダイハツ ロッキー/トヨタ ライズでは10個ものカップホルダーが用意されている。5人乗りなので1人2個使える計算だ

 プリウスは4代目に進化した際、カップホルダーが8個に増えた。モデルチェンジとともに、カップホルダーの数がどんどんと増えていく。5人乗りのクルマで、カップホルダーの数が際立つのはライズで、なんと10個も用意されている。

 運転席助手席用のカップホルダーが2個、センターコンソールに2個、フロントドアポケットにボトルホルダーが左右それぞれ2本分(計4個)、リアドアポケットにボトルホルダーが左右それぞれ1本分だ。計算上、フル乗車しても1人で2つのカップホルダーを使用することができる。

 ミニバンでは、先代のステップワゴンが非常に多くのドリンクホルダーを用意していた。運転席周囲に5個、2列目シートに6個、3列目シートに5個の合計16個だ。6人で使っても1人あたり2.6個のカップホルダーを使用できる。

 搭載位置や大きさなども工夫され、社外品のカップホルダーをわざわざ取り付ける必要が少なくなったのが、現代のクルマの特徴だ。特にフロントシート周囲のカップホルダーの多さには、驚きを隠せない。

■ギミック満載の進化がスゲー! キャップの開閉を片手で操作できる工夫まで

 たかがカップホルダーと侮るなかれ、メーカーのこだわりや知恵がぎっしり詰まっているのがカップホルダーである。特にここ最近の進化はスゴい。小さな紙コップから長めのペットボトルまでを快適に出し入れできるよう、ホルダー底の深さを可変式にするカップホルダーが増えている。特にセンターコンソールに搭載されたホルダーには、底のギミックが多いのだ。

 ペットボトルのキャップを片手で開けられるように、ホルダーの底をゴム製にしているクルマもある。ペットボトルをカップホルダーに押し付けると滑らなくなり、簡単にキャップが回せるという優れモノだ。また、カップホルダー自体の大きさを変化させ、四角い紙パックも安定しておけるようなものも増えてきている。

■飲み物の温度にも気を遣う時代! もはや後付けホルダーいらず

現行型ホンダ ステップワゴンのシートバックテーブルには2個のカップホルダーが。一度に2杯飲める!?

 一昔前は社外品のカップホルダーをエアコンのルーバー部分に引っかけて「エアコンで冷やせるカップホルダー」を作っていたが、こうした機能が標準で用意されたことにも注目したい。

 フロント左右のエアコン吹き出し口の前にカップホルダーが作られ、さらにリアエアコンの吹き出し口(センターコンソール後方)にもカップホルダー出てくるのだ。車内に置かれたドリンクの温度にまで気を使う、メーカーの開発陣には頭が下がるばかり。

 後付けできる社外品のテーブルやカップホルダーは便利なのだが、取り付け位置によっては、エアバッグの位置に干渉したり、事故の際に取り付けが甘く外れて飛んできたりすることもある。マイカーに合ったものを取り付けないと、危険が伴うことも多いのだ。

 その点、クルマに合わせて用意された標準搭載のカップホルダーには、社外品を取り付けた時のような心配事は無い。カップホルダーが増え続ける一つの要因には、作り手側がユーザーの快適性に加え、安全に配慮した結果という点が挙げられるだろう。

 カップホルダーやボトルホルダーには、今まで気づかなかった機能が付いていることもある。今一度、愛車のカップホルダーを確認し、考え抜かれた機能美を感じてみて欲しい。

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