アルファタウリの角田裕毅が、F1第10戦イギリスGPでチームメイトであるピエール・ガスリーと接触したことについて、ガスリーに対し謝罪を行った。角田は前を行くガスリーを抜こうとした際に接触が起き、2台はコースオフ、ポイント獲得のチャンスを失った。さらに、アルファタウリのマシンから落ちたパーツが、レッドブルのマックス・フェルスタッペンのマシンに引っかかり、フェルスタッペンが首位から後退するというアクシデントもあった。
決勝スタート直後の多重クラッシュでレースが赤旗中断となった後、17台でレースが再開。ソフトタイヤスタートを選んだガスリーと角田は、10周目には7番手と8番手を走っていた。後ろを走る自分の方がペースが良いと感じていた角田は、11周目のヴィレッジコーナーでガスリーのインに飛び込んだが、スピンをしてしまい接触、2台揃ってコースオフを喫した。ガスリーはその接触でマシンにダメージを負い、26周でリタイア。角田は接触の責任ありと判断されて5秒のタイムペナルティを受け、14位という結果になり、チームはポイントを獲得することができなかった。
角田はチームのリリースにおいて、次のような公式コメントを発表した。
「ピエールとの間に接触が起きました。きちんと見直してみる必要がありますが、現時点で思うのは、僕は彼をパスするために次の機会を待つことができたということです。あのコーナーに入る時、僕には速さがあったので、オーバーテイクできると思いました。また、ピエールがあそこまでドアを閉めるとは思っていませんでした。これは僕の方のミスです。主にチームに謝りたいです。その後、マシンにダメージがあり、とても運転しづらくなって、残りのレースはとても難しいものになりました」
その後、角田は月曜、Instagramのストーリーズに、次のコメントを掲載した。
「ピエールとの接触について、チーム、ファクトリーの人々、ファン、そして特にピエール・ガスリーに心から謝罪します。あれは完全に僕のミスでした。オーストリアにはさらに強くなって戻ってきます」
ガスリーは、レース直後のインタビューで、苛立ちを抑えながら、「不必要なインシデント」であり、再発防止のためにチームで話し合う必要があると語った。
「裕毅とのことについては、今は話したくない。ただ、チーム内で話し合う必要があるのは明らかだ。(事故の前には)2台ともポイント圏内を走っていたんだ。明らかに不必要なインシデントだった。僕としてはそのことにただただがっかりしている」
テクニカルディレクターのジョディ・エギントンも、チームの公式リリースのなかで「今日の裕毅の動きはベストではなく、避ける必要があるものだったので、チームとしてじっくりと必要な話し合いをしていくつもりだ」とコメントしている。
アルファタウリの同士討ちは、姉妹チームであるレッドブルのレースにも影響を与えた。レース後、レッドブル代表クリスチャン・ホーナーは、フェルスタッペンのトラブルについて説明するなかで、フェルスタッペンは、インシデントによってアルファタウリのマシンから落ちたデブリを踏み、それがマシンの下に引っかかった状態で走っていたと明かした。首位を走っていたフェルスタッペンは、ペースを失い、ピットストップを行ってポジションを落とし、7位でフィニッシュした。
レース後、フェルスタッペンは、自分のマシンに引っかかっていたアルファタウリのパーツを披露している。