2022年7月6日、トヨタは新型クラウンの公式ティザー(事前)サイトをオープンしました。これにより、7月15日(金)午後1:30に正式発表となることが明らかになっています。
クラウンは1955年に初代が登場して以来、日本の代表的な高級車として長くその地位にあり、現行型で15代目(S22型)を数えます(本年3月末に受注停止)。昨今クラウンは高級ミニバンや高級SUVの勢いに押され、折からの国産セダン退潮もあって存在感を薄めていましたが、この「新型」登場で海外でも積極的に販売し、ブランド価値の巻き返しを狙うことになります。
以下、新たに公開された情報と、これまで当編集部が掴んでいる新型クラウン情報を整理してお届けします。
文/ベストカーWeb編集部、写真/TOYOTA、ベストカー編集部
■走りの「RS」は2.5Lターボ+モーター+4WD
かねてよりSNSや自動車情報専門メディアのあいだで報道合戦となっていた新型クラウン。本日トヨタが公式ティザーサイトを公開し、正式に発表日(2022年7月15日)を告知し、「正式発表発売までの秒読み」がハッキリと始まった。
全国のトヨタ販売店では新型クラウンの「概要」までは説明されており、本社筋からの説明によると、まず今回「クラウンセダンプラス」と呼ばれるノッチバックスタイルの4ドアサルーンが発売。こののち順次SUV、ステーションワゴン、そしてかっちりしたセダンの4車種が登場していくという計画だそう。
(SNSの一部では従来型クラウンのオーナーから「どうせなら売れそうなSUVから出してほしかった」という声が寄せられており、なるほどそれも一理あるなと思った)
事前に編集部が掴んだ資料(シルエットのみ顧客に掲示されている)と、先日特許庁に意匠登録されたデザインによる、流麗なプロポーション、155mm延長されたフロントオーバーハング、フロントアクスルとAピラー付け根の距離の短さからもわかるとおり、(従来のクラウンのアイデンティティでもあった後輪駆動(FR)ではなく)横置きエンジンのFFプラットフォームであることが確認されている。
細かいボディサイズについては公式からは明らかにされていないが、全国のトヨタ販売店に配布されている顧客用資料によると以下のとおり。
■全長:4930mm(+20mm)
■全幅:1840mm(+40mm)
■全高:1540mm(+85mm)
■ホイールベース:2850mm(-70mm)
(カッコ内は現行型クラウンとのサイズ差を示している)
全体的に長く幅広く、車高も高くなっているが、ホイールベースは70mmも短くなっている。そしてこの2850mmというホイールベースは、2022年6月1日に発表された新型レクサスRXと同寸。新型クラウンは、基幹技術である「GA-Kプラットフォーム」を大幅改良した新型レクサスRXとプラットフォームを共通に開発が進められているということ。ストラット式フロントサス、マルチリンク式リアサスというレイアウトも両車共通で、特にリアサス周辺は完全新開発したという力作となる。
パワーユニットとグレード構成は(こちらも非公式発表値ではあるが)「RS」グレードが「走り系」のトップグレードとして設定され、2.4Lターボエンジン(272ps/46.9kgm)+モーター(82.9ps/29.8kgm)のHV仕様。6ATと(後輪をモーターで駆動・制御する)4WDシステム「E-Four Advance」の組み合わせだという。バッテリーはリチウムイオンではなく(新型アクアに搭載されて話題となった高効率な)バイポーラニッケル水素を採用。
このほか2.5L直4、NAエンジン+モーターのハイブリッドE-Four仕様も用意され、こちらは「ベースグレード」、装備を充実させた豪華版「HIグレード」、さらに内装に力を入れた「HIグレードレザーパッケージ」が用意されているという。
本企画取材班が聞き取りにあたった営業マン(実車画像確認済)によると、「かなりカッコいいですよ、自信作です。あとベースグレードはかなり戦略的な価格になるようです」とのコメントを寄せてくれた。
これまで長く「日本の代表的高級車」として存在感を示し、日本の道、日本のユーザーに向けて開発を進められてきたクラウン。今回の新型からいよいよ海外へ本格的に進出することになり、「ブランド」をかけた大勝負を仕掛けることになる。
一部繰り返しとなるが、正式発表は2022年7月15日。心して続報を待ちたい。
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