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 いよいよ3年ぶりの開催が目前となった真夏の祭典『2022 FIM世界耐久選手権(EWC)第3戦 “コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第43回大会』は8月7日に決勝レースが行われる。2021年のEWCチャンピオンとしてゼッケン1を掲げて挑むのは、スズキのファクトリーチームヨシムラSERT Motulだ。スズキGSX-R1000Rにブリヂストンタイヤというコンビネーションで戦う。

 オートバイの部品・用品の開発や製造販売を行い、1978年に初開催された鈴鹿8耐の第1回大会と、1980年、2007年、2009年に4度の優勝を経験している日本の二輪レースにおけるヨシムラ。そして1980年に設立されてからEWCにレギュラー参戦を続け、最多となる16度のタイトルを保持しているフランスのチームSuzuki Endurance Racing Team(SERT)といった名門チームふたつのDNAが受け継がれたチームだ。

 その2つの名門チームがタッグを組み、2021年からEWCにフル参戦をし、チーム結成1年目にして2勝を挙げてタイトルを獲得。そして2年目となる今シーズンは、開幕戦のル・マン24時間で2年連続の優勝を飾り、第2戦スパ24時間ではマシントラブルを抱えながらも4位で終えており、2戦終了時点でシリーズランキングはトップとなっている。

 2021年に誕生したチームのため、この体制で鈴鹿8耐に参戦するのは今回が初めてとなるが、強豪のEWCレギュラーチームであるため表彰台獲得に期待がかかる。

 ライダーはレギュラーライダーのチャビエル・シメオンとシルバン・ギュントーリに加え、テストライダーも務め2021年にはチームの一員として活動していた渡辺一樹を起用して挑むはずだった。

 しかし、直前の8月2日にシメオンが新型コロナウイルス感染症の検査で陽性となってしまったため、スタンバイしていたグレッグ・ブラックに急きょ変更されることとなった。さらに、ギュントーリもテストで左手を怪我してしまったために、渡辺一樹、ブラックのふたりで鈴鹿8耐に挑む。

 これまで開発ライダー兼第4ライダーとして関わってきた渡辺だったが、「ホームの鈴鹿で起用するのは自然な流れ」と加藤陽平ディレクター。彼が開発したバイクで、全日本ロードでもヤマハファクトリーに迫る走りをした速い鈴鹿で、存分に力を発揮することだろう。

 初参戦となる鈴鹿8耐で、名門チームのDNAを受け継ぐ強豪ヨシムラSERT Motulが、昨年の王者としての強さを見せつけ鈴鹿サーキットを駆け回る。また、ヨシムラジャパンとしては鈴鹿8耐の優勝が目標、ヨシムラSERT Motulとしてはチャンピオン獲得が優先となるが、力強い走りが見られるはずだ。

2022年の鈴鹿8耐でゼッケン1番をつけるヨシムラSERT Motul
2022年の鈴鹿8耐でゼッケン1番をつけるヨシムラSERT Motul