7月3日、イタリアのモンツァでELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズの2022年シーズン第3戦が行われ、IDECスポールの28号車オレカ07・ギブソン(ポール・ループ・シャタン/パトリック・ピレ/ポール・ラファーグ組)が逆転勝利。2019年10月以来、約3年ぶりとなる総合優勝を果たした。
3クラスから計42台がエントリーした第3戦モンツァ。予選9番手から4時間の決勝レースをスタートした28号車オレカのトリオは、20秒のペナルティを乗り越えて表彰台の頂点に立った。
彼らのライバルとなったのは、オープニングラップでポールシッターの31号車オレカ07(TDSレーシング×バイヨン)をかわした65号車オレカ07(パニス・レーシング)を攻略し、レース序盤をリードしたクール・レーシングの37号車オレカ07だ。
その37号車は、後方から追い上げるの9号車オレカ07(プレマ・レーシング)に捕まり順位を落とす。しかし、開幕2連勝を飾ったイタリアのチームはピットでタイムを失いリードを許してしまう。これによりふたたびトップに立ったクール・レーシングだったが、3度目のセーフティカーランからレースが再開された34周目の段階で、実質2番手まで順位を上げてきた28号車オレカに迫られた。
IDECスポールは49周目にトップに浮上してレースを有利に進めていくが、69周目のピットイン後は37号車を再度抜いてきたプレマの9号車の後ろに下がる。だが、今レース5度目のリスタートの翌周、シャタンがターン4のシケインでルイ・デレトラズ駆る9号車を攻略。
その後、28号車にはフルコースイエロー中の違反によりピット作業プラス20秒のペナルティが課せられたが、リードを守ることに成功する。レース終盤はシャタンが後続とのギャップをコントロールし、スタートから4時間後にトップでチェッカーフラッグを受けた。
ポールからスタートした65号車オレカは一時6番手までポジションを落としたが、終盤にかけて挽回をみせトップと13.2秒差の総合2位でフィニッシュ。3位にはグリッド6列目からレースを開始したミュルナー・モータースポーツの21号車オレカ07が入った。
プレマの9号車は22号車オレカ07(ユナイテッド・オートスポーツ)を挟んで5位に。LMP2プロ・アマのウイナーとなった24号車オレカ07(ニールセン・レーシング)が総合6位、37号車オレカは8位に終わっている。
LMP3クラスでは、インターユーロポル・コンペティションの13号車リジェJS P320・ニッサンがクラス優勝を収めた。GTEクラスは60号車フェラーリ488 GTEエボ(アイアン・リンクス)がトップでフィニッシュしたものの、直後にコース上でストップしてしまい83号車フェラーリ488 GTEエボ(アイアン・リンクス)に押されてピットレーンに戻ってきたことから失格となった。
これにより2位でチェッカーを受けたプロトン・コンペティションの77号車ポルシェ911 RSR-19が繰り上がりで優勝。木村武史も乗り込んだ57号車フェラーリ488 GTEエボ(ケッセル・レーシング)がクラス2位となった。なお、アイアン・リンクスがこの裁定を不服として控訴しているため、リザルトは暫定的なものになっている。
ELMSの次戦第4戦は8月26~28日、スペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで開催される。