テスラは、ドイツ・ハノーファーで開催された学生向け技術カンファレンス「IdeenExpo」で、SpaceXのStarlink衛星インターネットを搭載したソーラーパネル牽引車「ソーラーレンジエクステンダートレーラー」を出展した。
Starlinkは先週、移動中の車内でも受信端末を利用してインターネットが使えるよう、米国連邦通信委員会(FCC)の認証を得たところだ。
電気自動車はいま、普及期のまっただ中にあるが、バッテリーのみで走行する電気自動車(BEV)の場合、購入を検討する際に常に気になるのが、その航続距離だ。カタログ値だけを見ると、1回のフル充電で十分な距離を走れるように見えても、例えばエアコンを景気よく使ったり、山間部のアップダウンや加減速が多いルートを走行したりすれば、その距離はとたんに縮まってしまう。
BEVの宿命といえばそれまでだが、ApteraやLightyearのように、車体表面に太陽電池を装着することで、申し訳程度に航続距離を伸ばすことを試みているメーカーもある。そしてメーカーのなかには、太陽電池を展開式にして面積を稼ぐ方法を検討しているところもあるだろう。
テスラが展示したトレーラーも、まさにその発想をわかりやすく体現している。ただしテスラは、このトレーラーについて、仕様を含めてコメント要請に応じていない。
またこの写真をツイートしたテスラファンは、テスラの係員がこのトレーラーを「あくまで”展示用”として意図していると述べた」としている。したがってこのトレーラーが実際にテスラから発売されると期待しないほうが良さそうだ。
なおテスラは、ポリゴンチックなピックアップトラック、Cybertruck向けのオプションとして荷台カバーを兼ねたソーラールーフを準備している。
またテスラのイーロン・マスクCEOは2019年に、Cybertruck用として展開可能なソーラーパネルのアイデアも述べている。
彼が忘れていなければ、もしかしたら今回のトレーラーのような追加のソーラーシステムが、テスラ車のように発売される可能性もあるかもしれない。