【途中経過】レースは最後の1時間に突入。同時に3番手のYARTヤマハにアクシデント／鈴鹿8耐7時間

　三重県の鈴鹿サーキットで8月7日11時30分にスタートを迎えた『2022 FIM世界耐久選手権（EWC）第3戦 “コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第43回大会』の決勝レースは11時30分にスタートから7時間が経過し、依然としてTeam HRC（長島哲太／高橋巧／イケル・レクオーナ）がトップを独走している。

　レーススタートこそ熱いトップ争いが繰り広げられた2022年の鈴鹿8耐。しかし、その後には2度目のセーフティカーが導入され、リスタート後にはTeam HRCと優勝を争うと見られていたKawasaki Racing Team Suzuka 8Hのジョナサン・レイがまさかの転倒を喫するなど、流れは完全にホンダワークスのTeam HRCに向いている。

　レース6時間目に入った直後には、この鈴鹿8耐で現役を引退することを発表しているTERAMOTO＠J-TRIP Racingの青木宣篤が自身のラストスティントを終え、ピット前にその姿を表し、グランドスタンドのファンたちに向けて大きく手を振るシーンもあった。マイクを向けられた青木は「自分は本当に幸せなライダーです。今までありがとうございました！」とコメントし、長きにわたる現役ライダー生活引退に華を添えた。

　そして6時間11分にはトップ独走のTeam HRCがルーティンピットに入り、イケル・レクオーナから高橋巧にホンダCBR1000RR-R SPを託す。その後方には2番手につけるKawasaki Racing Team Suzuka 8Hも同時ピットインを行い、レオン・ハスラムからライディングを引き継いだジョナサン・レイがコースに出ていく。

　177周目には暫定2番手を走行していたYART-YAMAHA OFFICIAL TEAM EWCがピットに向かうも、チェーントラブルが発生し、その修復のため一瞬ガレージでの作業を強いられタイムロス。これで2番手Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hとの差は1周に、トップのTeam HRCとは2周差にギャップが広がってしまった。

　レースはそのまま全マシンともにトラブルが起こらず、不気味な落ち着きを見せながら18時30分にスタートから7時間を迎えた。また、7時間経過とともにレースコントロールから『全車ライトオン』の指示が出される。その直後、スプーンでAKENO SPEED・YAMAHAの菅原陸がクラッシュしているシーンが映し出される。

　なんとそのアクシデントは2台が絡んだもので、もう一台は3番手を走行していたYART-YAMAHA OFFICIAL TEAM EWCだった。YARTヤマハのマービン・フリッツはスポンジバリアに埋まったマシンを起こし走行を再開させるも、そのままピットへ向かいガレージでの修復を余儀なくされる事態に。レースはこのアクシデントによりクラッシュパッドを修復する必要があるため、3度目となるセーフティカーが導入されている。

■2022鈴鹿8時間耐久ロードレース　決勝7時間経過順位（編集部集計）