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「私が貴妃さまの姉上を妻にしたことは知っているだろう」仲麻呂は何気なさそうに切り出した。「聞いたよ。若晴さんのことも。お悔やみ申し上げる」「気持ちは有り難いが、あれは過去のことだ」「割り切れるのか。そんな風に」王維が気色ばんだ。妻を十五年前に亡くしながら、再婚もせず側女も持たずに…