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いま、世界で最も注目されているイギリスのボリス・ジョンソン首相が、与党・保守党の党首を辞任するという。その奇抜な言動で、常に物議を醸し続けているジョンソン首相。2022年4月9日、ロシアからの侵攻で危機の真っ只中にあるウクライナの首都・キーウを電撃訪問し、世界中を驚かせた。なぜジョンソン首相は突然キーウを訪問したのか。 彼が尊敬してやまないウィンストン・チャーチルも傲岸不遜、目立ちたがり、日和見主義者と首相に就任するまでの評判は散々だったが、絶体絶命の戦時下のイギリスで首相に選ばれたときに「私の人生はこのときのための準備であった」と感激して引き受け、国民的英雄となった。 チャーチルのことを強烈に意識していると思われるジョンソンが書き下ろした評伝『チャーチル・ファクター』には、チャーチルの戦争観が書かれた章がある。ジョンソン首相は、たしかに戦争はチャーチルを英雄にした。しかしチャーチル自身が戦争の父だったのだろうか? 一部でいわれるように、彼は猛烈な勢いで嬉々として、次から次へと戦争を戦ったのだろうか? と問うている。 ボリス・ジョンソン著『チャーチル・ファクター』(プレジデント社)から、「第12章 報復にはノー、毒ガスにはイエス」を抜粋してお届けする。