このメルセデスC270は、特別な一台である。Cクラスワゴンは通常、非常にプレーンなデザインだが、もちろん例外もある。そして、そのうちの1台が、現在eBayで売りに出されているのだ。
実用的で壊れにくいエステートカーと、特別な外観をどのように組み合わせるか?ブラバスのオプティクスパッケージを装着した「C270」はスペシャルな一台なのだろうか?この車種は中古車市場でこのクルマを探すとなると、見つからない可能性が高い。様々なポータルサイトを見れば、とにかくエステートカーのタマ数が少ないことがわかるが、ブラバスのチューンナップした個体ではさらにそうだ。
希少な装備は、特にインテリアに表れている
この「ブラバスオプティクスパッケージ」とは、実際にはどのようなものだったのだろうか。まず、名前からすでにわかるように、デザインにのみ手を加え、技術データはそのままだ。つまり、170馬力、5速オートマチック、ディーゼル、後輪駆動というオリジナル仕様のままの内容である。また、排気量2.7リットルの直列5気筒エンジンのパワーユニットにも変更は施されていない。ちなみに、この車両は207,000kmを走行しているが、まだまだちゃんと走るかもしれない。
インテリアでは、上下にウッドをあしらった本革製のスポーツステアリングがすぐに目に飛び込んでくる。ペダル、ギアノブ、レザーインテリア全体もブラバスルックの一部となっている。外から見て「何かが違う」とわかるのは、ダブルエキゾーストテールパイプと、控えめなルーフエッジスポイラーだけだ。
写真は17インチのアルミホイールを装着したエステートだ。また、このままでも販売されているが、追加料金(非公開)で、19インチのブラバス製ホイールを購入することができるようにもなっている。
ブラバスのエキストラを別にしても、装備の充実ぶりはなかなかのものである。電動調整式シート、電動ウィンドウ、高さ調整式ステアリングホイール、オートエアコン、パーキングセンサー、パワーステアリング、シートヒーターなど、快適性に重点を置いたものが多い。
この2年間で多くを刷新した
売り手は、自分の車を趣味の車と宣言している。この車はいくつかの小さな錆と運転席側のリアドアに深い傷があるだけだと書いてある。それ以外では、この1年半の間に、多くの交換作業や修理が行われたとする。その中には、新型ターボチャージャー、新型サーボポンプ、新型エアコンコンプレッサーなどが含まれる。2023年5月までの車検付きだ。
現状(2022年6月10日)では、あと8日で提供終了となる。これまでの最高入札額は131ユーロ(約1万8千円)だが、即時購入も可能となっている。その場合のエステートカーは2,190ユーロ(約30万円)になる見込みだ。比較対象: 同程度の走行距離のモデルの価格は2,000~4,500ユーロ(約28~63万円)だ。しかし、希少な「ブラバスオプティクスパッケージ」は付いていない。
【ABJのコメント】
メルセデス・ベンツの先先々代「Cクラス(W203)」のステーションワゴンモデルである「C203」、そのブラバス外見を持つモデルが30万円・・・で、これまでの最高落札額が18,000円(笑)、ってまぁそんなもんでしょうねぇ、という話である。内容もディーゼルエンジンで、それなりの交換作業をうけていはいるが、走行距離を考えれば当たり前だし、これからも雪だるま式に維持費はかさんでいくことが予想される。
そこまでして、このブラバスという、あまりに知名度のない、しかも外観的にも魅力の少ない「C203」を乗るかと聞かれたら、乗らないと答える。別にブラバス風で内容が伴っていないことに理由はないし、「C203」が大嫌いなわけではない(大幅マイナーチェンジを受けた後期のC203はそれなりに好きである)。でも、もし「C203」を買うことになったら、限りなくオリジナルを保ち、できれば変な色(グリーンとかシャンパンとかワインメタリックとか)で、へたくそ棒(コーナーポール)とハーフレースのシートカバーがついちゃったような、ヤナセものの一台(そんなのあるのかどうかは別として)を選びたい。なんとなく怪しい改造や、特にホイールなどに改悪のモデファイを受けたのはできるだけ避けたい、というのが私の生活信条である。(KO)
Text: Kim-Sarah Biehl
加筆: 大林晃平
Photo: eBay/violoncello1974