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<p>「ウクライナ並み」の支援 すべての避難民に | | 小川玲子 | 毎日新聞「政治プレミア」</p><p>「ウクライナ並み」の支援 すべての避難民に</p><p>私は昨年から、政府にアフガニスタンからの退避者への支援を多くの仲間と共に要請してきた。 日本に定着するためには日本語教育が必要で、家族が安定して暮らすには住居や就労が必要だ。ところが、それはすべてウクライナからの避難民に対して実現した。アフガン退避者にはできなかったのではなく、やればできるのだと</p><p>日本に定着するためには日本語教育が必要で、家族が安定して暮らすには住居や就労が必要だ。ところが、それはすべてウクライナからの避難民に対して実現した。アフガン退避者にはできなかったのではなく、やればできるのだと感じた。 ウクライナ避難民の受け入れは、地方自治体や地域にとって受け入れのあり方を学ぶ機会になった。必要なものはどの避難民も同じだ。モデルケースとして、他の地域からの避難民支援につなげてほしい。 どうしたらウクライナ避難民への支援を日本における難民支援のスタンダードにできるかが課題であり、日本における人道主義的な支援を確立する時に来ている。 現在、日本にはアフガンから約700人が避難している。うち約400人が日本大使館職員や国際協力機構(JICA)事務所の現地職員、その家族など政府の招聘(しょうへい)で退避した人々だ。残りの約300人は民間人の退避だ。民間退避は、日本の大学による招聘が一番多い。 アフガン復興の支援をするため、日本はこれまでに7000億円以上の資金を農業やインフラ支援につぎ込んできた。一つの柱がアフガンへの教育協力で、留学生を日本に招聘してきた。JICAの「未来への架け橋・中核人材育成プロジェクト」(通称PEACEプロジェクト)というアフガン政府官僚向けのプログラムもあり、日本で修士号や博士号をとってもらうという内容だった。国費留学生とPEACEプロジェクトを合わせて1400人以上が日本に留学をした。 イスラム主義組織タリバンが2021年8月に前政権を倒す直前から、日本の大学関係者には多くのSOSが寄せられていた。日本での留学経験や旧政権関係者、少数民族、高学歴の女性だという理由でタリバンの迫害を受ける可能性があったからだ。このため、大学関係者が主体的に動いて退避を進めてきた。ただ、ウクライナからの1400人以上の避難民に比べればアフガン退避者は少ない。 おばあちゃんは来られない ビザも簡単に取得できない。留学か就労など中・長期の在留資格を取得していないと発行してもらえないためだ。日本語の専門学校に入るには、アフガンでの12年間の教育と150万~200万円の資金を準備することが条件となる。タリバン暫定政権下で女性に対する教育の道は絶たれてしまった。女子教育はアフガン支援の大きな柱だったはずなのに、呼び寄せのハードルは高い。日本への呼び寄せのハードルは高い。 観光ビザが出れば日本に上陸できるが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための入国規制下では観光ビザもおりなかった。また、帯同する家族は配偶者と子にしかビザが出ないため、兄弟や両親などは留学か就労の中・長期の在留資格を得ないといけない。しかし、50代以上の両親には修学や就労はハードルが高すぎる。 ウクライナのおばあちゃんは日本に来られるのに、アフガンのおばあちゃんは日本に来られない。親を思う気持ちは一緒なので、とても切ない。このため、家族を置いていけないと退避を断念する人もいる。昨年から相… この記事は有料記事です。</p>