グランプリ・ドライバーズ・アソシエイション(GPDA)の会長を務めるアレクサンダー・ブルツは、先週末のシルバーストンで起きた2件の重大なインシデントを受け、FIAに対してスポーツにおけるドライバーの安全性を改善する努力を続けるよう求めた。
F1第10戦イギリスGPでは、スタート直後に車体が逆さまになった周冠宇(アルファロメオ)の大事故の印象が強かったが、その日の早い時間にFIA F2のスプリントレースで起きたデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)とロイ・ニッサニー(ダムス)によるクラッシュも、同様に懸念されるものだった。
多くの人々と同様にブルツも、ジョージ・ラッセル(メルセデス)と接触後に逆さまになった周のマシンから、衝撃でロールフープが脱落したことに注目した。
ソーシャルメディアでブルツは、F1で最後にロールフープが脱落したのは四半世紀も前のことで、ニュルブルクリンクで開催された1999年ヨーロッパGPでザウバーのペドロ・ディニスがレーススタート時にブルツと衝突した時のことだった語った。
「私の記憶では、最後にF1のロールハブが破壊されたのは、1999年のニュルブルクリンクでペドロ・ディニスが私の上を飛び越えたときだ」とブルツはツイッターに投稿した。
「その結果クラッシュテストが厳しくなった。GPDAが要請し、FIAが迅速に導入と実施を行った」
「親愛なる会長、(お願いだから)受信ボックスを見ていただきたい。我々にはまだやるべきことがある」
しかしブルツは、日曜午前のシルバーストンで起きたハウガーとニッサニーの間の恐ろしいクラッシュにも同様に懸念を抱いた。ベールのコーナーのソーセージ縁石に乗り上げて飛び上がったハウガーのマシンが、ニッサニーのヘイローで防御されたコクピットに激突したのだ。
この衝突にもかかわらず、ふたりは無傷であることが分かったが、高さのある縁石が原因となった憂慮すべき光景だった。ブルツはその縁石がコース上にいまだ存在することを非難した。
2019年にFIA F3ドライバーのアレックス・ペローニがモンツァのパラボリカのランエリアでソーセージ縁石に当たって宙を舞い、バリア上に逆さまに着地し、キャッチフェンスを突き破ったことがあった。残念ながら、この事故でペローニは椎骨を骨折し、脳震盪を起こした。
ブルツはソーセージ縁石について“間違って生まれたコンセプト”であり、もっと前にコースから除去されてしかるべきだったと語った。
「ソーセージ縁石の件については、公の場での発言を手加減するのに苦労しているくらいだ」とブルツは語った。
「なぜこれがあり、何も対応がなされていないのか」
「事実はこうだ。この縁石のコンセプトは以前から間違ったものだった。あとどれだけの衝突事故や怪我を目撃しなければならないのだろう? これはエイペックスのソーセージ縁石や、コーナー出口のバゲットもしくはバナナ縁石にも言えることだ」