8月7日、フィンランドのユバスキュラを中心に開催されたWRC世界ラリー選手権第8戦『ラリー・フィンランド』の競技最終日、デイ4のSS19~22が行われ、カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)との一騎打ちとなった首位争いを制したオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合優勝を飾った。4日(木)から計4日間にわたるラリーの全日程を終えたMスポーツ・フォード、ヒョンデ、トヨタの各陣営からドライバーコメントが発表されている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●クレイグ・ブリーン(#42 フォード・プーマ・ラリー1)/総合33位
「パワーステージでまあまあの結果を出して週末を終えることができたが、全体的な結果についてはもちろんがっかりしている。ペースは良かったので、表彰台争いにもう少し長く残っていたかったけれど、残念ながらこういうことになった。今はもう次のイープル(・ラリー・ベルギー)を楽しみにしている。ターマックに戻るからまったく違うラリーになるよ」
●ガス・グリーンスミス(#44 フォード・プーマ・ラリー1)/総合7位
「午前中は全体的にスピードがなかった。主に僕のせいだと思うけれど、でも午後には間違いなく速さが増した。週末をとおしてかなり進歩したよ。ドライビングを本当に楽しんでいるから、ベルギーでもそうなることを楽しみにしている」
●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/総合19位
「金曜日にいくつかトラブルがあったのは残念だった。でもこれらの素晴らしいステージを通して興味深いペースを出すことができた。今回のラリーでフォード・プーマ・ラリー1を走らせることは楽しかった。今後のラリーで活かすことができそうなポジティブなこともあったよ」
●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)/リタイア
「このようにイベントを終えるなんてがっかりだが(編注:グリーンスミスと7番手を争うなか、マシントラブルにより最終SS22のスタート地点にたどり着けずリタイアに終わる)、こういう時もあるものだ」
「初めてここフィンランドでトップレベルのラリー1マシンに乗ったのだから、全体的にはそれほど悪くはない。今では(次回出場予定の第10戦)ギリシャでのラリーを楽しみにしている。マシンの動きと感触をもとに、もっと良い結果が出せると思う。これから休憩を取って、そしてまた進んでいくよ」
●ヤリ・フッツネン(#68 フォード・プーマ・ラリー1)/総合10位
「ミスをすることなくラリーをフィニッシュできて素晴らしい気分だった。ステージも素晴らしかったよ。いくつか小さな問題があったときは自信をなくしていたが、それでもかなりポジティブな週末だったと思うから、とても満足している」
■ヒョンデ・シェル・モビスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合5位
「僕たちにとって厳しい週末だったが、エストニアのように、ここでそうなることは分かっていた。同じような環境でのラリーが2回続いたわけだが、このようなコンディションで僕はいつも少し苦戦するんだ。ターマックラリーが連続するとよかったのだけどね」
「でも次は僕のホームイベントのイープル(・ラリー・ベルギー)に向かう。良い仕事をするためにベストを尽くすよ。オット(・タナク)は今週末優れたパフォーマンスを発揮して、スタートからペースを出していた。一旦調子が出れば、リズムに乗り続けることができるものだ。彼の表情から、全力を尽くさなければならなかったことが分かったよ。彼とチーム全体にとって最高の結果だ」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合優勝
「これはまさに特別な勝利だ。僕はキャリアのなかで多くの勝利を上げてきたけれど、これは間違いなく最高の勝利だ。先頭集団でラリーを始めたので、アドバンテージを得ることができた。そこからは、いろいろなことに対処していくような感じだった」
「マシンのパフォーマンスに完全に満足しているとは言えないけれど、それでも速いペースを出すことができた。この結果は、ハードワークを行えば良いパフォーマンスを出せるチャンスがあるということを示しているから、今後も改善を続けていく必要がある。僕たちには希望が与えられたよ」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合4位
「少しフラストレーションの溜まる週末だった。クルマのフィーリングがそれほど悪くないときもあったが、他のラリーよりもフィーリングに関して悩むことが多かったように思う。クルマ自体は良かったのだけど、あと少しの自信を持つことができず、ラリー期間中を通して何度もクルマのセッティングを変更した。それがかえって状況を悪くしてしまったときもあった」
「今日は、ライバルとタイム差がついていたので、いい機会だと考え普段とは少し違うセッティングを試してみた。パワーステージでの自分の走りには満足できなかったが、それでも数ポイント獲得できたのは良かった」
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合2位
「今回は厳しい戦いだったが、全体としては喜んでもいいだろう。今朝、オット(・タナク)はリスクを冒して走っていたが、自分はそこまでする必要がなかったので、追いつくことが難しいのは明らかだった。だから、できるだけ彼の速さについていき、大きく離されないように走り、パワーステージではふたたびプッシュして5ポイントを獲得することができた」
「もちろんホームラリーで勝ちたかったけど、金曜日のステージを出走順1番手で走り、ロードクリーニングを担ったことを考えれば、自分たちが成し遂げたことに誇りを持っていいと思う。思うように追い上げることはできなかったけど、それでも選手権ではポイント差を広げることができた」
●エサペッカ・ラッピ(#4 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合3位
「フィニッシュできて本当に良かった。昨日のことも含めて今回は不運続きでしたが、転倒したにも関わらず競技を続行できたのはラッキーだった。あのコーナーのことは良く知っていて、1回目に走行した時はコーナーの出口に余裕があるのを確認していた。しかし、2回目は大きな轍ができていて、あっという間に横転してしまったんだ」
「幸いにも今回は“1000湖ラリー”だったので、湖で水を汲んでクルマに注水することができた。何とかすべての問題を解決してパワーステージにたどり着いたが、最初の加速で屋根の大部分が飛んでいってしまったので、車内は風と騒音で大変なことになってしまった。1回のラリーであまりにも多くのことが起こったので少々複雑な気持ちだけど、表彰台に上れたので良かったよ」