ナッシュビル市街地で開催されたNTTインディカー・シリーズ第14戦。7日に行われた決勝レースは、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が今シーズン2勝目を挙げた。
佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシング)は、レース中盤でクラッシュし、リタイアに終わった。
前日の予選と同じく、決勝レースも雷雨の影響でディレイとなり、約2時間遅れでスタートを迎える。
ポールポジションのスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)はスタートでトップをキープ。4番手のアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)は、クリスチャン・ルンガー(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)を交わし3番手に浮上する。
8周目、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)がオーバーランでストップし、最初のイエローコーションとなる。
22周目、3番手を走行していたパロウが上位陣では最初にピットイン。このタイミングでエリオ・カストロネベス(メイヤー・シャンク・レーシング)が単独スピンを喫しコース上にストップし、イエローコーションに。
ピットレーンがオープンになると各車一斉になだれ込み、直前にピット作業を終わらせていたパロウがトップに立つ。
25周目にグリーンフラッグ。しかし、26周目にウィル・パワー(チーム・ペンスキー)を避けたパト・オワード(アロウ・マクラーレンSP)にグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)が接触。さらに後方でも多重クラッシュがあり、3回目のイエローコーションとなる。
チャンピオン争いをするオワードは手痛いリタイア。さらに多重クラッシュに巻き込まれたランキング4位のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)もマシンにダメージを負い大きく後退してしまう。
トップはパロウ、ステイアウトしたシモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング)、デイビッド・マルーカスの2台をはさみ、4番手にマクラフランが続く展開で、33周目にレースはリスタート。今度はターン10で佐藤琢磨にデブリン・デフランチェスコ(アンドレッティ・スタインブレナー)が接触し両車ウォールにクラッシュ。4回目のイエローコーションで昨年に引き続き荒れたレース展開となる。
41周目にレースは再開し、パロウがトップをキープ。パロウを追いたいマクラフランも強引にマルーカスを交わし3番手。さらに43周目にパジェノーをオーバーテイクし2番手に浮上する。
52周目、レイホールがターン4で単独クラッシュしたところにリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)が交わしきれず接触。今日5回目のイエローとなり、イエロー直前にピット作業を終えていたディクソン、ルンガー、ウィル・パワーには有利な展開に。
ピットレーンオープンでパロウを先頭に続々とラストピットへと向かう。マクラフランはピット作業で遅れポジションダウン。
リスタートは56周目。ステイアウトしたニューガーデンがトップ。ディクソン、ルンガー、パワージャック・ハーベイ(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)と続きパロウは6番手。
ハーベイを交わしたパロウは、58周目にパワーをオーバーテイクし4番手に。
65周目、カイル・カークウッド(AJフォイト)とマルーカスが接触しクラッシュ。6回目のイエローコーションとなる。このタイミングでトップのニューガーデンがピットインし、ディクソン、ルンガー、パロウ、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)、マクラフランの順でレースは残り10周の勝負に。
ディクソンはリスタートでトップをキープ。マクラフランがハータを交わし4番手に。さらに勢いに乗りマクラフランはパロウをオーバーテイクし3番手を奪取。ハータはグロージャン、さらにマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)にも交わされてしまう。
しかし、エリクソンはスローダウンでポジションダウン。チャンピオン争いでも一歩後退となってしまう。
1秒以内で3台がトップ争いを展開していたが、ジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ)がウォールにヒットし7回目のイエローとなる。
77周目にリスタート。マクラフランがルンガーをオーバーテイクし2番手に。しかし、ターン9でグロージャンがニューガーデンと競ってウォールにクラッシュ。8回目のイエローは、レッドフラッグに変更され、ラスト2周の勝負に。
リスタートで3番手のルンガーがパロウ、ハータに交わされ、残りは1周。ディクソンはマクラフランを抑えトップをキープ。予選14番手からサバイバルレースを制し、今シーズン2勝目を挙げた。
通算53勝目でマリオ・アンドレッティを抜き、AJ・フォイトに次ぐ単独2位となったディクソン。チャンピオン争いもランキング2位に浮上している。
■NTTインディカー・シリーズ第14戦ナッシュビル決勝レース結果
Pos. | No. | Driver | Team | Engine | Laps | SP |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | S.ディクソン | チップ・ガナッシ | H | 80 | 14 |
2 | 3 | S.マクラフラン | チーム・ペンスキー | C | 80 | 1 |
3 | 10 | A.パロウ | チップ・ガナッシ | H | 80 | 4 |
4 | 27 | A.ロッシ | アンドレッティ・オートスポート | H | 80 | 17 |
5 | 26 | C.ハータ | アンドレッティ・オートスポート | H | 80 | 23 |
6 | 2 | J.ニューガーデン | チーム・ペンスキー | C | 80 | 6 |
7 | 7 | F.ローゼンクヴィスト | アロウ・マクラーレンSP | C | 80 | 15 |
8 | 30 | C.ルンガー | レイホール・レターマン・ラニガン | H | 80 | 3 |
9 | 45 | J.ハーベイ | レイホール・レターマン・ラニガン | H | 80 | 11 |
10 | 60 | S.パジェノー | メイヤー・シャンク・レーシング | H | 80 | 13 |
11 | 12 | W.パワー | チーム・ペンスキー | C | 80 | 8 |
12 | 21 | R.ヴィーケイ | エド・カーペンター・レーシング | C | 79 | 10 |
13 | 06 | H.カストロネベス | メイヤー・シャンク・レーシング | H | 79 | 26 |
14 | 8 | M.エリクソン | チップ・ガナッシ | H | 76 | 18 |
15 | 77 | C.アイロット | フンコス・ホーリンガー・レーシング | C | 76 | 19 |
16 | 28 | R.グロージャン | アンドレッティ・オートスポート | H | 75 | 2 |
17 | 20 | C.デイリー | エド・カーペンター・レーシング | C | 74 | 22 |
18 | 48 | J.ジョンソン | チップ・ガナッシ | H | 72 | 25 |
19 | 18 | D.マルーカス | デイル・コイン・ウィズ・HMD | H | 63 | 7 |
20 | 14 | K.カークウッド | A.J.フォイト・レーシング | C | 63 | 16 |
21 | 51 | 佐藤琢磨 | デイル・コイン・ウィズ・RWR | H | 32 | 20 |
22 | 29 | D.デフランチェスコ | アンドレッティ・スタインブレナー | H | 32 | 24 |
23 | 15 | G.レイホール | レイホール・レターマン・ラニガン | H | 29 | 9 |
24 | 05 | P.オワード | アロウ・マクラーレンSP | C | 25 | 5 |
25 | 4 | D.ケレット | A.J.フォイト・レーシング | C | 25 | 12 |
26 | 16 | S.デ・シルベストロ | パレッタ・オートスポート | C | 25 | 21 |