鉄道の駅改札を出てから便意を催した場合、改札内のトイレを無料で使わせてもらえるのか。JR東日本の駅で「改札内に再び入るなら入場券を買って」と駅員に求められた本紙読者の投稿「JRのトイレ対応に疑問」(7月13日東京新聞発言欄に掲載)に対し、「ひどい対応」「お金を払うのは当然」など賛否合わせて約30件の反響があった。そこで、JR東日本はじめ首都圏の鉄道各社の対応を調べてみた。(青木孝行)
◆JRはなぜダメなのか…
投稿者は東京都青梅市のパート、今井恵子さん(68)。6月中旬、友人と映画を見るためJR昭島駅の改札前で待ち合わせ。最寄りの青梅駅から乗車し昭島駅に着いたが、集合時刻に間に合うか心配で慌てて改札の外に出た。すぐに「あっ! トイレ」と思い、駅員に再入場を願い出たが「改札内に入るなら入場券が必要」と断られ、目的地の映画館までトイレを我慢。以前、西武線の駅では借りられた体験があるので「JRはなぜダメなのか」と聞きたくて投稿したという。
今回の駅員の対応について、JR東日本コーポレート・コミュケーション部門の担当者は「乗車以外の目的で乗降場に入場する場合は、入場券を購入し、所持しなければならない」と定めた同社の旅客営業規則を根拠に挙げる。その上で、「状況に応じて駅係員の判断により、入場券の購入を求めずに、改札内の手洗いの利用を案内することも考えられる」と付け加えた。
◆大手私鉄で割れる対応
首都圏の大手私鉄9社はどうか。
東武鉄道・京成電鉄・京王電鉄・京浜急行鉄道の4社は、JR東日本と同様に入場料の支払いを求めている。「旅客営業規則に定めがある」「他の利用客との公平性の観点から」などがその理由だ。
西武鉄道・東急電鉄・相模鉄道の3社は原則として入場券が必要だが、「駅係員らの判断によりトイレの使用を認めている」(各社広報)。中でも相鉄は、大半の駅で改札外に公衆トイレが近くにないことを理由に「生理的現象なのでやむを得ないと判断している」と柔軟な回答を寄せた。
一方、小田急電鉄では、駅改札内のトイレを利用する場合、入場券とは異なる「入場証」を無料で渡し、自動改札から出場できるような配慮を「困っている利用客へのサービス」(広報担当者)として2016年3月に始めた。
東京メトロにはそもそも入場券制度がなく、駅係員らが利用客の事情を考慮して最寄りのトイレに案内しているという。
◆読者からの反響は…
今井さんの投稿に対し、東京新聞読者部には3日までに約30件の反響があった。JR東の対応に賛同する意見がやや多く、「事業者は顧客が快適に利用できるようコストをかけて維持している」(品川区・会社員男性48歳)「トイレはJRのもの。規則に従うのは当然」(千葉県松戸市・会社員男性61歳)といった声が目立った。横浜交通まちづくり協議会理事の渡辺聡さん(47)は「切符なしに入場させれば残念ながら不正に利用する人も出る」と指摘した。
一方、今井さんに共感する意見は「(小田急は)無料で気持ちよく貸してくれる。JRはひどい」(東京都狛江市・自営業女性67歳)「JRは困っている人や弱者に寄り添う考えが欠如している」(杉並区・無職男性54歳)など。「もっと人間味のある社員教育を」(東京都町田市・無職男性69歳)と注文する声もあった。
「鉄道員の人間味や情けというものが無くなったなあと思わされる投書だった」と寂しそうに語るのは、埼玉県飯能市の元私鉄駅員の男性(51)。かつて自動改札機のない駅改札で働いていたといい、「夏は冷茶、冬には温かい缶コーヒーの差し入れがあるなど利用客との接点が多かった。合理化が進み、鉄道員と乗客とのコニュニケーションは希薄になり、駅員はピリピリしている」と同情する。
JR東の駅は「直営駅」「業務委託駅」など、現場の業務を担う主体によって4種類あり、今回の昭島駅は子会社が改札業務を担う業務委託駅。男性は「駅員に裁量がほぼ無く、規則通りに対応するしかなかったのでは」と思いやる。これに対し、JR東の担当者は「直営か委託かによらず、利用客の事情を伺った上で、駅係員の判断により状況に応じた対応を実施する場合がある」と否定した。
東京新聞 2022年8月8日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/194163
引用元: ・鉄道の駅改札出た直後に便意が…改札内のトイレ、無料で借りられる?首都圏各社 [蚤の市★]
慈善事業じゃないからなあ
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