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Image:Meta

元FacebookのMeta社が新たなハイエンドVR/ARヘッドセット開発を進めていることは、公式に発表済みである。その「Project Cambria」の製品名が「Meta Quest Pro」であることや、その他の詳細な情報がiOSアプリから判明したと伝えられている。

米Bloombergは、開発者のSteve Moser氏がMeta社のiOSアプリ内に「Meta Quest Pro」なる製品名への言及があったと発見したことを報じている。そのコードはデバイスとコントローラーのペアリングに関するものであり、「Pair Meta Quest Pro right controller」と書かれているそうだ。

さらにBloombergによれば、Quest Proは従来型のQuest 2よりも遙かに優れたグラフィックス性能と処理能力を持つという。またフルカラーでよりリアルなパススルー(周囲の様子を外部カメラで撮影し、CG画像と重ね合わせる)や視線トラッキング、より大容量のストレージ、新たなコントローラー、VR用の高解像度ディスプレイが搭載されるとのことだ。

それ以上の詳細は触れられていないが、匿名の関係者によると1000ドル以上すると伝えられている。

Metaの次世代ヘッドセットについては、有名アナリストMing-Chi氏も事細かに予想を述べていた。その製品名は「Meta Quest 2 Pro」とされ、解像度が2,160×2,160(片目)の2.48インチ・ミニLEDディスプレイとなり、顔の表情を認識する機能もサポートされる、とのことだった。

これら仕様は、アップルが開発中と噂のAR/VRヘッドセットと似通っている。そちらは「革新的な3枚ディスプレイ構成」と、手の動きや物体も検出でき、単体で高度なグラフィック処理を実現するためMacのM1 Proチップと同等のプロセッサを採用するとの噂もあった。すでにプロトタイプが取締役会で披露され、翌年1月に発表されて第2四半期に発売と予想されている

ただし価格については、両社はかなり異なりそうだ。アップル製ヘッドセットは1000ドルを大きく超え、中には3000ドルを超えるとの説もある。そしてMeta製ヘッドセットは年内に投入される可能性もあり、同じ時期に激突することはなさそうだ。

もっとも、Metaは損失を被ってでも安価にVRヘッドセットを販売してきた上に、アップルのプライバシー保護強化により広告収入が打撃を受けているため、今の戦略は持続可能ではないとの指摘もある。過去2~3年でMetaが自腹を切って開拓したVR市場を、アップルやその他の企業が継承・発展させていくのかもしれない。