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 7月8日、いすゞ、デンソー、トヨタ、日野、CJPTの5社は共同でプレスリリースを発行し、カーボンニュートラルの実現に向けた選択肢のひとつとして、さらなる内燃機関の活用を目指し、大型商用車向け水素エンジンの企画・基礎研究を開始したと発表した。

 いま世界的に進むカーボンニュートラルへの道のりにおいては、世界各国・地域でのエネルギー事情の違いやユーザーの使い途などが多様化しており、車両のパワートレーンはHEVやBEV、FCEVなどさまざまなものが生まれている。

 そんななか、トヨタは水素エンジンも選択肢のひとつとして、ENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankookに2021年から水素エンジンを積んだORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptを投入。サーキットという場を使い、『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』という目的に加え、カーボンニュートラルに向けた『意志ある情熱と行動』をコンセプトとして戦っている。この活動は、ラウンドを経るごとに水素を『つくる』、『はこぶ』、『つかう』仲間を増やしながら、水素社会実現、水素エンジン技術の進化への取り組みを加速させている。

 今回、いすゞ、デンソー、トヨタ、日野、CJPTの5社は共同で「人々の生活を支える重要なインフラである『大型商用車による運送・物流』領域におけるCO2削減も、カーボンニュートラル社会実現に向けて、志を同じくする仲間とともに取り組むべき社会課題のひとつです」とし、水素エンジンがこの課題へのソリューションのひとつであると考え、これまで各社が積み重ねてきた技術やノウハウを活用し、大型商用車における水素エンジンの可能性を検討していくと発表した。

 水素エンジンについては、2021年にORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptが登場したときから、大型商用車での活用がアイデアのひとつとして語られてきた。「今後も5社は、カーボンニュートラルの実現に向けた選択肢を広げることで、より良い社会づくりに貢献していきます」としており、モータースポーツが起点となった活動として注目したいところだろう。