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「ほんとに行くの？」 ここは楽しかった花見からすでに数日が経（た）ったドーミーの食堂である。 台所で大鍋を洗いながら、水音に負けないように声を上げているのはあけみで、声をかけられている世之介の方はすでに玄関に立っており、「谷尻くん！ 早く！」と、二階を覗（のぞ）き込んでいる。 「いく…