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龍(りゅう)ヶ馬場(ばば) 九 柵を結うどころではないという。この時点で大聖院(だいしょういん)に眼を閉じて鎮座した元春の周りには吉川(きっかわ)兵、熊谷信直の兵、同道したいという毛利兵合わせて五百が集結していた。開眼した元春は、「五百もおれば十分。――参るぞ」陶(すえ)という瀕死の虎の最後…