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交通違反多発!! 無免許運転も!? 超絶危ない電動キックボードの実情と打開策

 2022年4月19日、道路交通法の改正案が衆議院で可決された。それにより、原付扱いとなっていた電動キックボードが、年齢16歳以上、運転免許証不要や、ヘルメット装着の努力義務などに変更されることとなった。この改正案は2年以内を目途に施行する予定。

 2022年7月まで、東京都の一部の地域(千代田区、渋谷区など)では、「特例電動キックボード」として実証実験が行われている。

 しかし、ここまで電動キックボードの規制緩和を行っても大丈夫なものだろうか? 

 そこで、本稿では、自動車からみた電動キックボードの怖さ、そして交通ルールを守らない使用者の実情をお届け。安全に電動キックボードを走行するためにどうすべきかを問う。

文/国沢光宏
アイキャッチ写真/tsubasa-mfg – stock.adobe.com
写真/Adobe Stock

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まさかの一方通行の逆走者も!? 電動キックボードの怖い実情とは

電動キックボードの使用者が、信号無視や一方通行の逆走など交通ルールを守らないケースが多くなっている(tsubasa-mfg – stock.adobe.com)

 電動キックボードがどうしようもない状況になっている! 東京都心部をクルマで走っていると、もはや電動キックボードに遭遇することは普通になったのだけれど、100台見たら98台が脱法走行中というイメージ。この国には道交法など存在せず、すべての警察官に対し電動キックボードだけ見えないような洗脳教育(泣)が施されているんじゃないかと思えるほどひどい。

 昨日も練馬の自宅を出て青梅街道など通り都心部を走った。どんな電動キックボードを見たかといえば、まず新宿でナンバーなしの電動キックボードに遭遇。

 現在、電動キックボードは50ccバイクと同じく原付一種扱い。登録していなくとも(ナンバー無しの原付バイクと同じ)、自賠責に入っていなければ自動的に50万円以下の罰金刑だ。もちろん免許を持ってないと無免許運転になる。

 次に見たのは『Luup』のレンタル電動キックボード。ここで貸している電動キックボード自体は全く問題なし! 原付一種相当のスペックになっており、ナンバープレートだって付いている。

 しかし! 街中の無人レンタルステーションから乗れるため、免許の有無などは確認していない。私が見たLuupの人、おそらく免許持っていないんじゃないかと思われる。というのも全く気にせず一方通行を逆走していったのだった。免許持っていたら、そんなこと怖くて出来ない。有無を言わさず青キップ切られて点数付いちゃいますから。免許持っていないと、一方通行逆走の”怖さ”が解らない(笑)。

 交通違反をしているLuupの電動キックボードを見かけることなど普通。顔認証の確認システムを構築しない限り、いかんともしがたい。それでもLuupの電動キックボードは良い方だと思う。前後にブレーキ付いているし、最高速も制限している。ナンバー付きのため何かあったら特定することだって可能。

 けれど野良電動キックボードについちゃどうしようもない。歩道だってフルスピードで走る。車道を逆走しているケースや信号無視まで普通。というか、野良電動キックボードは道交法を守る気持ちを持っておらず。といった具合で、すでに電動キックボードは野放し状態になっており、事故も増え始めている。飲酒運転すら珍しくない。

 電動キックボード自体も危険な乗り物だと思うけれど、現在進行形で言えば順法精神など全く持っていないと考えられる「乗っている輩」のアタマの中が社会問題だと思う。なぜ警察はキチンとした取り締まりを行わないのか? と疑念を呈する必要までもない。

 すでに自転車が野放し状態ですから~。自転車に乗っていて道交法を意識することは”ほぼ”ないと思う。警察に止められるとすれば2人乗りと無灯火くらいかと。クルマやバイクなら青キップを切ってオシマイ。そこから先の手間なし。自転車の違反、ややこしい。反則金/罰金を取ろうとしたら万引きと同じ一件ごとの立証も必要になってくる。罰するシステムが複雑だから取り締まらないワケ。  

 100歩譲って自転車と同じ状況になったとしよう。電動キックボードと決定的に違うのが、乗り物としての安定性だ。自転車は移動の道具として作られ、200年掛けて進歩してきた。とても安定している乗り物であり、ブレーキだって正常であればしっかり効く。荷物を積んだときや、雨の日の走行、路面の段差などに対するロバスト(ここでは悪条件に対する強さ)も高い。

交通ルールの見直しを!! 安全に電動キックボードを走行するために

 電動キックボードに乗ったことのある人なら解るとおり、狙った走行ラインを走るのは難しくフラフラする。タイヤ径が小さいため道路の段差(特に斜め方向の目地)を通過しようとすると前輪を取られてコケる。ウエットグリップなど考えていないゴムタイヤが多いから雨の日は驚くほど滑る。特に金属マンホールのフタとか全くグリップしない。荷物持つとイッキにバランス悪くなる。

 そもそも電動キックボードは「不安定さを楽しむ遊びの道具」であり、移動の手段として考えたら昇華してると言い難い。そんな乗り物でありながらヘルメットも被らず車道を走るというのだから、誰が考えたって危険だと解る。

 こう書くと「すでに多くの国が電動キックボードを自由化しているじゃないか」みたいな声も出る。そういった国は自転車の交通ルールだって取り締まってます。

 解禁するのなら自転車を含めた交通ルールの抜本的な見直しが必要だと思う。自転車や電動キックボードの違反を簡単に取り締まれるシステムを構築すべき。自転車と電動キックボード乗車中は個人を特定出来るIDの所持義務づけだって必要だろう(歩いているときは社会に対する加害性がないため不要)。こういった対策を取らないと、クルマにとっちゃ迷惑千万。歩行者、幼児、高齢者への加害性も大きい。

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