EU議会が改めて2035年までにエンジン車の販売を中止すると発表。同じEU内でも反対する国や組織があり、また法的拘束力もないが、時代は確実にEVに進んでいる。
とはいえ、エンジン車の計画もまだ数多くあり、パワーユニットの多様化がひとつの楽しみともなりそうだ。ここから数年先、日本のスポーツモデルは新たな局面に突入する! 走りの楽しさへの追求はこれからも続く!!!
●国産スポーツモデルスクープ総まとめラインナップ
・日産 R35GT-R(マイナーチェンジ・2023年春登場予定)
・スズキ スイフトスポーツ(2023年春登場予定)
・レクサス LS F(2023年春登場予定)
・日産 フェアレディZ NISMO(2023年夏登場予定)
・レクサス LFAII(2025年登場予定)
・トヨタ ダイハツ スズキ3社共同開発 1Lクラスミドシップスポーツ(2025年登場予定)
・トヨタ GR(500ps級)EVスポーツ(2026年登場予定)
・日産 次期R36GT-R(2028年登場予定)
※本稿は2022年7月のものです
文・予想CG/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2022年8月10日号
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■日産 R35GT-R(マイナーチェンジ・2023年春登場予定)
●現行R35GT-Rはマイチェンモデル登場
現行R35型の受注は終了しているGT-Rだが、一時休止後にマイナーチェンジして来年春に再登場することが確実となっている。
現行型をベースに内外装をスキンチェンジする方法が有力で、マイチェンと言いながら、新型に近いレベルに変えられるというから楽しみ。エンジンや足回りなどは小規模改良に抑えられそうだが、純エンジンのGT-Rはこれが最後になること必至。激しい争奪戦が繰り広げられそうだ。
■スズキ スイフトスポーツ(2023年春登場予定)
●マイルドハイブリッドで新境地を拓く
国産コンパクトスポーツの頂点、スイフトスポーツが来年春に生まれ変わる。
小さく、安く、よく走るというコンセプトはそのままに現行型の直4、1.4Lターボをマイルドハイブリッド化。エンジン本体も圧縮比の向上や電動吸気VVT、EGRの採用などで進化させ、最高出力は140psから150psにアップするとの情報が入っている。
マイルドハイブリッドとはいえ、効果は絶大。燃費性能の向上はもちろん、極低回転域ではモーターのトルクを生かしてピックアップをよくできる効果もあり、燃費だけでなくスポーツ性も向上してくるはず。
モーターを加えることによる重量増も最小限に抑え、スイフトスポーツの持ち味である「軽さ」も維持する。
■レクサス LS F(2023年春登場予定)
●V8ツインターボは660psを発揮!
レクサスのフラッグシップ、LSに来春ハイパワーバージョン追加の情報あり。ベンツのAMG、BMWのMに対抗するスペシャルモデルで、660ps/66.3kgmのV8、4Lツインターボエンジンと10速ATを搭載するという情報だ。駆動方式はFRで、価格は2000万~2200万円と予想。
■日産フェアレディZ NISMO(2023年夏登場予定)
●レースで培った技術をすべて投入
購入予約が始まっている新型Zだが、来年夏頃にはニスモ仕様が追加されるという情報だ。スープラがGRMNならZはニスモ。当然の戦略である。
改良の内容はほかのニスモバージョンに沿ったもので、レッドアクセントを活かした専用の内外装、サスペンションの強化に加え、Zの場合はV6、3Lツインターボエンジンを405psからパワーアップさせる可能性もある。
タイヤは専用の20インチ仕様が採用されそうだ。
新型Zはスーパー耐久レースへの参戦を開始しており、また、GT4車両の開発も進んでいる。これらで培ったノウハウがこのニスモバージョンに投入されるのは間違いないところ。価格は800万~900万円と予想。こちらも激しい争奪戦となりそうだ。
■レクサス LFAII(2025年登場予定)
●国産最強のスーパーPHEVスポーツ
レクサスからも超ド級のスーパースポーツが用意される。こちらはEVではなくPHEV。2010年12月から2年間で限定500台を生産したLFAの復活版となるクルマで、便宜上、ここではLFAIIと呼ぶ。
エンジンは、一時開発の凍結が噂されていたV8、4Lツインターボで、最高出力はエンジン単体で720ps、システム全体では950psに達するという情報だ。
限定販売ではなくカタログモデルを目指しているとされ、レクサスLCなどに使われているGA-Lプラットフォームを採用。駆動方式はトランスアクスル方式のFRで、高剛性と軽量化を両立するカーボンボディとなる。
また、LFAIIはGT3のレース専用車と同時に開発が進められており、GT3車両は今年の東京オートサロンで初公開された「GR GT3コンセプト」がそれ。レースの規則に合わせた純ガソリンエンジン車と思われるが、今後の規則の変更しだいではLFAⅡと同様PHEVとなる可能性もある。
LFAIIのボディサイズは全長4600×全幅1950×全高1200mm前後で、ホイールベース2700mmと予想。2025年登場で、価格は4000万~5000万円クラスとなりそうだ。
■トヨタ ダイハツ スズキ3社共同開発1Lクラスミドシップスポーツ(2025年登場予定)
●共同開発で手頃な価格の本格スポーツを実現
LFAIIの情報をお届けしたが、「高すぎて関係ない」と思った人もいるだろう。でもご安心を。トヨタ、スズキ、ダイハツの3社共同開発による1Lクラスのコンパクトミドシップスポーツも計画されているのだ。
さすがのトヨタでも、1社単独で専用プラットフォームのスポーツカーを作るのは厳しいが、3社共同なら不可能ではない。それぞれの得意分野、開発資源を活用して市販化を実現する道筋をつけたということだ。
プラットフォームはヤリス系のGA-Bをベースに、後ろ半分を新設計。エンジンはスズキが主導して開発しているというから3気筒の1Lターボとなる可能性もある。そして、内外装のデザインは3社それぞれがオリジナルを追求する。デビューは2025年。価格は200万円台を期待したい。
■トヨタ GR(500ps級)EVスポーツ(2026年登場予定)
●2シーター、4WDで開発スタート!
トヨタはGRブランドで発売するEVスポーツの開発もスタートさせている。2026年のラインオフに向けて、予算の承認がおりた、というのが最新情報だ。
2シーターのピュアスポーツで、前後にモーターを置く4WD。bZ4Xに使われているEV専用プラットフォーム、e-TNGAの採用が有力だが、2026年登場ならトヨタ初の全固体電池搭載車になる可能性もある。
最高出力は500psクラスを狙っているとされ、FRと4WDの違いはあるが、車格としてはスープラのEV版というイメージ。手の届く価格を期待したい。
■日産 次期R36GT-R(2028年登場予定)
●全固体電池のハイパーEVに大変身
ベストカースクープ班に次期GT-RがEVで計画されているという情報が入ったのは今年の春先。日産の持てる技術をフルに投入して2028年頃の発売を目標にしているというものだった。
時代の流れとしてスーパースポーツもEVに変化していくというのは理解できるところだし、ポルシェはすでにタイカンを販売しており、フェラーリも2025年に初のEVを発売すると公表している。
次期GT-Rは2028年だから競合メーカーよりも遅れての発進となるが、他社をリードする技術を使ったクルマとするには、そのくらいの期間が必要ということ。EVのゲームチェンジャーとして期待される全固体電池の実用化を睨んでのスケジュールであることは間違いない。
日産は、次期シーズンより「フォーミュラE」の電動パワーユニットを名門マクラーレンに供給すると発表。自社チームでの参戦と合わせ、レースで得られる技術的知見が2倍に増えるということで、当然、このテクノロジーが次期GT-Rにフィードバックされることになるだろう。
デザインなどの詳細は明らかになっていないが、パッケージングの自由度が高いEVの特徴を活かし、後席も実用的に使える4ドアクーペボディを採用する可能性が高い。
現在はポルシェタイカンをベンチマークに開発を続けているという情報だが、目標はニュルブルクリンク最速というから、高級車のイメージが強いタイカンよりも、もっと本格的なEVスポーツを目指していると思われる。GT-Rならそれも当然。今後の動きに注目したい。
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