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もはや完熟の域に入ったともいえるウラカンが、さらなる進化を遂げた。「ロードとトラックで、運転の楽しさとライフスタイルの完璧さを求める方へ」とは発表時にランボルギーニから伝えられたコメントだが、要するにあらゆるシーンで求められる役割を演じきってみせるということ。そんな懐の深さを味わい尽くすなら、いましかない!

【写真8枚】ウラカン史上最良の選択肢であるウラカン・テクニカを写真で見る

RWDであることを忘れる盤石のスタビリティ

ランボルギーニ・ウラカンがライバルたちと際立って異なる点は、サーキット走行での自在なドリフトコントロール性にあると思う。別に、そもそものリアグリップレベルが低いというつもりはないが、ドライバーがオーバーステアを求めているとシステムが判断すると、スポルトモードでは4WSやブレーキトルクベクタリングなどのデバイスを駆使して適度なテールスライドを引き起こし、比較的容易にドリフト走行に持ち込める。その際のスライド感やコントロール性は優れた安心感を伴うもの。スタビリティコントロールが作動した状態でドリフト走行を楽しめる点も、ウラカンの特徴のひとつといっていいだろう。

リアクォーターウインドーを細長く延長することで、伸びやかさを演出したウラカン・テクニカ。STOよりも都会に似合うデザインだ。

最新のウラカン・テクニカでも、こうした特質は存分に受け継がれているが、忘れてはいけないのが、これが4WDではなくRWDであること。スライド中もタイヤが確実に路面を捉え続け、コーナー脱出時には力強いトラクションを発揮してくれる点は、4WDのウラカンに肉薄するといってかまわない。

その理由を、新たに車両開発全般を統括することになったヴィクター・ウンダーベルグに訊ねたところ、こんな答えが返ってきた。「これまで、私たちはウラカンの開発を通じて様々なことを学んできました。そうした経験を生かし、ウラカン・テクニカではダウンフォースを(ウラカンEVO RWD比で)35%増やしたほか、スタビリティコントロールにも最新の技術を盛り込んでいます。さらには4WSやタイヤ開発などの効果もあって、RWDでありながら4WDに迫るスタビリティを実現できたのです」

V10+RWDのオールラウンダー

サーキットでこれだけの走りを実現していながら、公道では個人的に「ウラカン史上最良」と評したくなる乗り心地を実現していたことも、ウラカン・テクニカの美点のひとつ。つまり、先にデビューしたウラカンSTOとは異なり、サーキットから一般道まで幅広い守備範囲を備えているのがウラカン・テクニカなのである。

ウラカンSTOと同じ640psと565Nmを発揮するV10自然吸気ユニット。間もなくその生涯を閉じプラグインハイブリッドに置き換わる。

それにしても、サーキットやワインディングロードでのスポーツ走行時に、自然吸気V10エンジンが生み出す痛快な回転フィールと刺激的なエキゾーストサウンドは、ドライバーをゾクゾクとさせるような深い感動を呼び起こす。5.2Lの大排気量がもたらす低回転域でのドライバビリティや優れたパワーのリニアリティ、そして飛びきりシャープなレスポンスも自然吸気ならではの美点だ。

街中でも映える、エレガントで洗練されたスタイリングも見どころのひとつ。ランボルギーニらしいウェッジシェイプにすっかり溶け込んでいるので気づきにくいが、リアクォーター部分をボディパネルでカバーするのではなく、サイドウィンドーを後方まで長く伸ばすことで、シャープで伸びやかなデザインを実現したと、チーフデザイナーのミィティア・ボルケルトは説明してくれた。ボンネットの後端をブラックアウトしてフロントウィンドーと連続して見えるようにした点も、スタイリングの伸びやかさに繋がっている。

メーターパネルなどのHMI系デザインを一新したのもウラカン・テクニカの注目ポイント。ライトグリーンのインサートが印象的だ。

ちなみにウラカン・シリーズは、このテクニカと今年12月に販売される限定モデルで打ち止めとなる模様。その後はパワートレインがプラグインハイブリッドに切り替わるので、純NAエンジンをお好みの方は、早めに正規ディーラーを訪れたほうがいいだろう。

【SPECIFICATION】ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ
■全長/全幅/全高=4567/1933/1165mm
■ホイールベース=2620mm
■トレッド(前/後)=1668/1624mm
■車両重量=1379kg
■エンジン型式=V10DOHC40V
■内径×行程=84.5×92.8mm
■総排気量=5204cc
■圧縮比=12.7
■最高出力=640ps(470kW)/8000rpm
■最大トルク=565Nm(57.6kg-m)/6500rpm
■燃料タンク容量=80L(プレミアム)
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前ダブルウイッシュボーン/コイル、後ダブルウイッシュボーン/コイル
■ブレーキ(前/後)=Vディスク/Vディスク
■タイヤ=前245/35R20(8.5J)、後305/30R20(11J)
■問い合わせ先=ランボルギーニ・ジャパン70120-988-889
※表中はすべて欧州仕様

ランボルギーニ・ウラカン公式サイト

投稿 V10自然吸気エンジン搭載車を買うなら今が最後! ランボルギーニ・ウラカン・テクニカはウラカン史上最高のスタビリティを持つ最良の選択肢だったCARSMEET WEB に最初に表示されました。