7月1〜3日、イギリスのシルバーストンで行われたFIA-F2第7ラウンド。佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は、不運なマシントラブルに見舞われ速さが結果に繋がらない週末に。レース1はリタイア、レース2は15位で終えることになった。
第6ラウンドのアゼルバイジャン大会で今季3度目のポイントを獲得し、セットアップに自信を得ていた万璃音は、チームの本拠地でもあるイギリスの伝統のサーキット、シルバーストンに向かった。ブリティッシュウェザーと呼ばれる不安定な天候でも知られているが、今回も雨が降ったり止んだりの週末となり、チームやドライバーを悩ませる天候となった。
フリープラクティスでは走り出しからオーバーステアに悩まされ、さらにエンジンブローに見舞われてしまった万璃音はエンジン交換、セットアップ変更を施し、曇り空のなか気温18℃、路面温度29℃というコンディションの予選に臨んだ。フィーリングは悪くなかったが、予選結果は1分39秒677で19番手。1周をまとめきれなかった悔しさが残る予選となった。
7月2日(土)のスプリントレースは、小雨が降るウエットコンディション。フォーメーションラップはセーフティカー先導のもと2周が行われ、ローリングスタートでスタートが切られた。万璃音は好スタートを決め、タイヤを労りながらもハイペースで攻め続け、15番手まで浮上したところでまさかのエンジントラブル。残念ながら12周でレースを終えることになった。
7月3日(日)のフィーチャーレースは、前日とは変わり快晴。19番手からスタートした万璃音は、すぐにペースをつかみ1周目で17番手、そして2周目で16番手とポジションを上げたところで、オープニングラップのアクシデントによりセーフティカーが導入された。
6周目にレースが再開され、8周目にはDRSも使用可能になったが、万璃音は10周目にソフトタイヤ装着組がピット作業に入り始めると、タイヤをセーブしながら好タイムを連発。10周目には11番手、11周目には8番手、12周目には6番手、そして23周目には4番手までポジションを上げ、24周目にタイヤ交換のためピットイン。16番手でレースに復帰すると、26周目には15番手に浮上し、そのまま29周レースのチェッカーを受けた。
「フリープラクティスの走り出しからオーバーステアが強く、雨が降り出した時にはバランスが良くなったと思ったらエンジンがブロー。チームが予選までに修復してくれましたし、予選でのバランスは悪くなかったのですが、1周まとめきれなかったのがすべてです」と万璃音は週末を振り返った。
「決勝レース1では、スタートは悪くなかったですし、ウエット路面でのバランスも悪くなかったので、タイヤを労りながら走っていたらエンジンのスロットルのバルブが壊れてしまい、破片が中に入ってパーツを傷つけてしまったのでまた交換。残念ながら僕にはどうしようもないレースとなってしまいました」
「決勝レース2は、プライムタイヤでスタートしました。フリーエアでいかにタイムを出しながら走るかが勝負の作戦でしたが、中盤にフロントタイヤのグリップがかなり低下しながらも、チームメイトと同じようなタイムで走れていました。ソフトタイヤに交換した後は、前のマシンのペースが遅く、追いついていきました」
結果としてはフィーチャーレースで15位というものだったが、「タイム的に見てもレースの内容も前進しているレースでした」と万璃音。この感触を今は結果に繋げたいところだ。
「エンジニアと話しても、自分たちが勝てない要素が見当たらない状況です。続くレッドブルリンクでのレースでは、しっかりと結果を残せるよう頑張ります」と第8ラウンドに挑んでいく。