F1オーストリアGPの土曜、スチュワードは、4度のF1チャンピオンであるセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)に対し、金曜夜のドライバーズミーティングの際の振る舞いがレギュレーション違反に当たるとして、25,000ユーロ(約350万円)の執行猶予付罰金を科した。
ベッテルは、ドライバーズミーティングで不満を訴えた後に、無断で退席、これが国際モータースポーツ競技規則第12.2.1 f)条およびF1競技規則第20.1条に違反にあたると判断された。
スチュワードの声明には以下のように記されている。
「セバスチャン・ベッテルは、7月8日金曜19時30分に開催されたドライバーズミーティングから、許可なく退席、ミーティング中に不満を表明した」
「ドライバーは自分が望むときに自由に退席することはできない。これは出席への要求への違反にあたる。このレベルのドライバーは、世界中のすべてのドライバーの模範であり、スチュワードの意見では、ベッテルはこの件において、その基準を満たすことができなかった」
しかしベッテルはその後、レースディレクターであるニールス・ヴィティヒと話し合いを行い、謝罪したという。スチュワードは、これを考慮に入れて、今シーズン末までに同様の違反を犯した場合に限り罰金を科すという裁定を下した。
「その後、ベッテルはレースディレクターと話し合いを行った。レースディレクターがスチュワードに伝えたところによると、ベッテルは率直な謝罪を行い、さらに、ミーティングでの話題やそれ以外のことについて、非常に建設的な会話をしたということだ」とスチュワードは述べている。
「スチュワードは違反は存在し、これをペナルティなしに見逃すことはできないと判断した。だが、レースディレクターからの報告に基づき、ペナルティを軽減するための要因はあると考えた」
「したがって、スチュワードは、25,000ユーロ(約350万円)の罰金を科すものの、これは、2022年シーズン末まで執行猶予とし、FIA F1競技規則第20.1条、あるいは国際モータースポーツ競技規則第12.2.1 f)条への違反がある場合に限り執行することとする」
『BBC』は、ベッテルは、レースディレクターであるニールス・ヴィティヒが議長を務めたオーストリアのドライバーズミーティングにおいて、F1の審判がインシデントなどのペナルティを科す際の判断が一貫していないことについて、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)らと共に、説明を求めていたと伝えている。『BBC』が得た情報では、ベッテルは、同じ議論をもう15年も続けており、うんざりだと述べて、席を立ったということだ。
議題のなかには、イギリスGPでの終盤に繰り広げられたバトルの際の出来事も含まれていたという。セルジオ・ペレス(レッドブル)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が激しい2位争いをするなかで、コース外にはみ出すマシンがあった。ペレスがコーナーをカットしたり、相手をコース外に押し出すなどしたが、その行為にスチュワードは注目したものの、調査を行わないことを決めた。