2022年F1オーストリアGPの土曜スプリントで、メルセデスのルイス・ハミルトンは8番手、ジョージ・ラッセルは4番手だった。予選で2台がそれぞれクラッシュ、チームはマシンの修復をしてスプリントに臨んだ。ハミルトン車はサバイバルセルの交換が行われ、ラッセル車にはシーズン3基目のギヤボックスが入れられた。いずれもペナルティ対象にはならない。
ラッセルは4番グリッドから全周回でその位置を保ち、4番手でフィニッシュ。ハミルトンはスタート直後にアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)とピエール・ガスリー(アルファタウリ)の間で行き場がない状態になり、ターン1でガスリーとの接触が起きた。またターン3ではセルジオ・ペレス(レッドブル)と再びアルボンに挟まれ、1周目に11番手に後退した。チームによると、1周目の接触によるダメージか、左フロントブレーキの温度が上がってしまったということだ。マシンは大きな衝撃を受けており、スプリント後にダメージの調査が行われる。
ハミルトンは、アルボンとバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)を抜いた後、ケビン・マグヌッセン(ハース)からDRSを得ているミック・シューマッハー(ハース)をなかなかオーバーテイクすることができず、全23周の21周目にようやく前に出たが、それ以上のポジションアップはできなかった。
チームは、スプリントでのマシンのペースに失望を示していた。トト・ウォルフは「スピードの面で、パフォーマンスは期待外れなものだった」と述べている。
「通常はシングルラップ・パフォーマンスよりもレースペースの方が優れているが、それを今日は示せなかった。教訓を得て、明日のグランプリでペースを改善する必要がある」
■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム)
FP2 9番手(1分09秒350:ソフトタイヤ/14周)
スプリント 8番手(9番グリッド/タイヤ:ミディアム)
今日は最後まで走り切ることができたことに感謝している。昨夜と今朝、チームは素晴らしい仕事をしてマシンを修復してくれた。彼らには大変感謝しているし、マシンをほぼ無事に持ち帰ることができてうれしく思っている。
あまり良くないスタートの後、ターン1でピエールが僕の前を横切った。右側にはスペースがたっぷりあるのに、ドライバーたちはどうしてあんなことをするのか理解できない。僕にはどうすることもできなかった。そしてターン3ではウイリアムズとレッドブルとの間で同じことが起きた。僕のマシンは少しダメージを負ったが、少なくとも走り続けることはできた。
その後はひたすら追い上げに徹した。ストレートで他のマシンより遅かったので、DRSトレインから抜け出すのを待ってからでなければ、オーバーテイクすることができなかった。そういうわけでミックを抜くのに何周かかかってしまったんだ。明日はもっと強いレースができることを祈るよ。
(『Sky Sports』に対して語り)今日は特に学んだことはなかった。ただひとつ、僕たちはストレートではハースより遅いということ以外はね。オーバーテイクするにはDRSトレインから抜け出すまで待つしかない。それでも明日はできる限り頑張るよ。
■ジョージ・ラッセル(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム)
FP2 7番手(1分09秒240:ソフトタイヤ/33周)
スプリント 4番手(4番グリッド/タイヤ:ミディアム)
まず、今日マシンを準備してくれたガレージのみんなに感謝したい。チームのみんなの努力のおかげだし、それだけにポイントを獲得できてよかった。パフォーマンス面では、ライバルたちとの差は予想以上に大きかった。23周で13秒差をつけられてしまったから、1周あたりほぼ0.5秒遅れていたことになる。なぜペースを落としてしまったのか、今夜、調査し理解する必要がある。
小さなことで差は生まれる。今日はタイヤのマネジメントが簡単ではなかった。明日はダウンフォース量へのアプローチが重要になってくるだろう。僕たちにやるべきことがあることは間違いない。