第一章 発端の夏(八十四) 朱鷺子は「ああ、そうかい」とまったく関心を示さなかったが、矢上たち三人は脇の〈旅を意識した特別バージョン〉の留守電とやらに大いに興味を引かれた。 そして帰り… 残り720文字(全文:811文字)