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<p>【参院選】岸田首相「黄金の3年」どうする 改憲猶予なし</p><p>【参院選】岸田首相「黄金の3年」どうする 改憲猶予なし 選挙戦で焦点となった物価高対策など喫緊の課題だけでなく、急逝した安倍晋三元首相が果たせなかった憲法改正を自身の手で実現できるのか。</p><p>岸田文雄首相は参院選で政権運営に一定の信任を得て、衆院を解散しない限り大型国政選挙のない「黄金の3年」を手にしたといえる。選挙戦で焦点となった物価高対策など喫…</p><p>当選確実の候補者に花をつける自民党総裁の岸田文雄首相=10日午後9時55分、東京・永田町の自民党本部(矢島康弘撮影) 岸田文雄首相は参院選で政権運営に一定の信任を得て、衆院を解散しない限り大型国政選挙のない「黄金の3年」の入り口に立った。選挙戦で焦点となった物価高対策など喫緊の課題だけでなく、急逝した安倍晋三元首相が果たせなかった憲法改正を自身の手で実現できるのか。首相には一刻の猶予もない。 「新型コロナウイルス、ウクライナ(侵攻)、物価高騰を乗り越えなければいけない。そして、日本の経済再生に本格的に取り組んでいきたい」 首相は10日夜のテレビ東京番組で、選挙結果を踏まえ、こう強調した。 昨秋の就任以来、首相は〝守り〟を優先し、新型コロナの感染拡大防止のための水際対策の強化などを進めてきた。発足時の内閣支持率は菅義偉前政権より低く、党内基盤も盤石ではなかったためだ。 首相としては、参院選の勝利で政策や人事の主導権を握りやすくなる。自民ベテランは「安倍政権も選挙を乗り越えるたびに強くなった」と指摘する。 参院選では憲法改正に前向きな改憲勢力が国会発議に必要な3分の2を上回った。首相は党総裁任期中の改憲実現を表明したが、令和6年秋の任期満了までは約2年しかない。早期に衆参両院の憲法審査会で具体的議論に入り、改憲原案の作成に着手する必要がある。7年秋の衆院議員の任期満了を見据え、解散戦略も描かなくてはならない。 一方でロシアのウクライナ侵攻が長期化し、物価高が各国を直撃する。6月の仏下院選挙は与党が過半数割れし、バイデン米大統領率いる民主党も11月の中間選挙で苦戦が予想される。 日本も年末にかけ食料やエネルギーの価格は上昇する見込みで、首相が対応を誤れば国民や党内の不満が高まり、政権を揺るがしかねない。日本経済の体質強化に向け、看板政策である「新しい資本主義」の具体化も急務だ。5月の日米首脳会談で表明した防衛力の抜本的強化も財源の確保などは避けて通れない。 「安倍氏の思いも受け止めた上で、頑張れという有権者の叱咤激励の声も多く含まれている」。首相は自民圧勝の理由をこう語った。背負ったものは大きい。(田村龍彦) 特集・連載:</p>