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 2022年5月、シャトル、CR-V、インサイトの生産終了が明らかになった。今回、正確な生産終了時期がいつになるのか、ホンダ広報部に聞くと、2022年8月末ということが判明した。さらにアコードについても9月に生産終了する予定だという。

 ホンダの生産・販売終了車はこのところ立て続けとなっており、クラリティ、レジェンド、オデッセイ、S660、アクティ、NSXに続いて、シャトル、CR-V、インサイト、アコードと、この2年で実に計10車種が生産終了することになる。

 なぜホンダはこんなに大量の生産終了車を決めたのか? 現状のホンダ、これからのホンダに対して、ホンダOBである元開発責任者の藤原裕氏がもの申す!

文/藤原裕、ベストカーweb編集部
写真/ベストカーweb編集部、ホンダ

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■なぜ4車種も生産終了するのか?

現行型(3代目)は2018年から登場のホンダインサイト。クーペスタイルボディを持つ4ドアハイブリッドセダン
2021年12月開催のホンダ・ビジネスミーティングにて生産終了が発表されたホンダ CR-V
先代フィットベースのシャトル。現行フィットベースのワゴン(シャトル)が出るのか未定

 ホンダは2021年12月上旬に開催した販売店向けの「ホンダ・ビジネスミーティング」でCR-V、インサイト、シャトルの3車種を2022年度に順次生産終了すると表明した。2022年5月9日にはインサイト、CR-Vオーナー向けのアプリに、生産終了の案内が送られ、販売店にも通達された。

 そして今回、ベストカーwebが改めてCR-V、インサイト、シャトルの生産終了時期をホンダ広報部に確認したところ、2022年8月末になることがわかった。さらにアコードも9月末に生産終了となることも判明した。

 2021年にはオデッセイ、レジェンド、クラリティ、アクティが廃止になり、2022年3月生産終了のS660(2021年11月1日に650台追加生産発表)、2022年9月生産終了のアコード、2022年12月生産終了の2代目NSXを含めると、この2年間で10車種が消滅することになる。

 特に憂慮すべきは、レジェンド、インサイトに続き、アコードが生産終了となると、日本市場においてホンダのセダンが消滅することになることだ。

2020年2月に発売された現行型アコード

 なぜこれらの車種を生産するのか、ホンダ広報部に聞いたところ「日本の市場動向や、お客様ニーズを再度検証した結果となります」とのことだった。各車種についての詳細な情報は以下の通り。

●シャトル:2022年5月9日生産終了の案内、8月末生産終了
販売店に生産終了を伝えていた。次期モデルは未定。在庫がなくなり次第販売終了。
●CR-V:2022年5月9日生産終了の案内、8月末生産終了
オーナー向けに生産終了の案内をアナウンス。販売店に生産終了を伝えていた。在庫がなくなり次第販売終了。次期モデルは未定。
●インサイト:2022年5月9日生産終了の案内、8月末生産終了
オーナー向けに生産終了の案内をアナウンス。販売に生産終了を伝えていた。在庫がなくなり次第販売終了。次期モデルは未定。
●アコード:2022年9月生産終了
生産(タイ)をいったん終了。モデル切り替えに伴うオーダーの打ち切り。在庫がなくなり次第販売終了。

 まずシャトルについては、次期モデルは未定、在庫がなくなり次第終了となる。シャトルは5ナンバーのステーションワゴンという貴重な存在だったので非常に残念である。

 CR-Vについては高価で日本市場に適したサイズとはいえず、売れ行き不振が続いていた。しかし、年内までにCR-Vとヴェゼルの間のサイズの新型SUV、ZR-Vが発売されるので、こちらに期待したい。次期CR-Vの日本発売は未定。

北米でHR-V、中国・欧州ではZR-Vとして情報が公開されている。ついに日本でも、2022年内に導入予定であることが公式に発表。国内仕様のボディサイズは全長4580mm×全幅1800mm×全高1630mmになるようだ
2020年7月1日に発売した新型シビックe:HEV。価格は394万200円

 インサイトに関しては、下記のインサイトオーナー向けに配信された内容(一部抜粋)を見ると、インサイトの実質的な後継車は発表されたばかりの新型シビックe:HEVということもできる。

 「一方、セダン・ハッチバックのハイブリッドモデルとしては、新型CIVIC e:HEVのティザーサイトを現在公開しております。現行INSIGHTの上質な走りを新開発2.0L エンジンでよりスポーティに進化させた新型CIVIC e:HEVも是非ご期待ください。これからも、INSIGHT、そして新型CIVIC e:HEVもどうぞ宜しくお願い致します」。

 アコードに関しては、生産および販売から撤退ということではなく、次期モデルが登場するまで、“いったん”生産終了するということが真相だ。

 さて、ホンダがこの2年で大量の生産終了車を出した理由としては狭山工場の閉鎖(レジェンド、クラリティ、オデッセイ)に加え、「電動化のための選択と集中」によるものと推測できる。

 ホンダは2022年4月、「4輪電動ビジネスの取り組みについて」の会見を行い、2030年までに軽商用からフラッグシップまで、グローバルで30機種のEVを展開し、EVの年間生産200万台超を計画している。

2021年12月で生産終了となったオデッセイ。狭山工場の廃止が生産終了の理由の1つだが、同工場で生産していたヴェゼルは鈴鹿製作所に移され、新型ステップワゴンも埼玉製作所で生産する。それならオデッセイも埼玉製作所に移して生産を続ける方法はあっただろう

■今のホンダはマネジメント、人事システムの変革が必要

ホンダが2022年4月に発表した「4輪電動ビジネスの取り組みについて」

 はたして2歩、いや4歩くらい先の電動化車両のために、現在の足元、今ある車種を大量に生産終了していいのか? ホンダOBの元開発責任者、藤原裕氏がホンダにもの申す!

TEXT/藤原裕

 シャトル、CR-V、インサイトが生産終了になり、アコードも生産終了が予定されている。すでに生産終了したレジェンドやS660、NSX、アクティを数えると10車種というこの事態は、「次世代の電動化戦略を発表したホンダだから」という理由では許されない。

 今のホンダは、ヘッドオフィスが発信するパワーが弱く、世界各極での営業本部に「好き勝手にやらせ過ぎる」弊害が顕在化している。日本営業本部も、しかりである。現状モデルから将来の電動化戦略商品に移行するうえでも、ホンダ本社の商品移行ストーリーが重要である。

 2022年4月、ホンダが将来の電動化戦略についての会見があり、詳細な説明があったが、その際、現行モデルの収束ストーリーを説明する必要があるのでないか。

 新しい4輪ビジョンに移行する段取りが、極めてラフであり、今までにない事業変更に際して、あまりにもお粗末である。三部敏宏社長は、大きなビジョン提案を実施しているが、それを具体化する優秀なスタッフが活かされていると思えない。

 そこで私はホンダOBという立場で提案したい。第一に、地域営業本部を廃止し、ヘッドオフィス主体の事業展開を実施する、第二に、現行モデルから将来の電動化商品への移行ストーリーを立案し展開する、第三に、ホンダブランドの訴求マネジメントをホンダヘッドオフィス主体に、強力に統括する。

 特に、現行モデルから将来の電動化商品へのストーリーは、製造メーカーの身勝手な利益判断ではなく、ユーザーお客様の事業、生活を考慮して、極力、迷惑が掛からない領域で進める必要がある。特に、代替のない商品は、重要な判断が必要である。また、将来の電動化商品に移行する上で、スムーズに展開できるようにすべきである。

 いずれにしても、新しい時代を準備するうえでは、ホンダのマネジメントと人材育成が最も重要である。その意味でも、従来のマネジメントや人事評価の見直しを実施展開する必要がある。

 マネジメントの上では、機能単位の縦割り組織だけではなく、商品機種グループ単位での横割り組織が必要であるが、今のホンダは、横割り組織が私の現役時代に比べて、極めて弱体化している。これらの縦割り組織と横割り組織があらゆる面で、意見を戦わす事で、バランスの取れた判断が培われると思う。

 モータリゼーションの変革期の今こそ、ホンダのマネジメントと人事システムの変革が必要であると思う。三部社長、ぜひ商品技術の仕込みだけではなく、ホンダのマネジメント、人事システムの変革を願います。

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投稿 【悲報】今夏シャトル CR-V インサイト アコード4車種が一気に生産終了という衝撃! なぜこうなったのか? ホンダOBが叱る!自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。