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<p>参院選での自民大勝、混乱した日本株市場に安心感の声-株高経験則も</p><p>参院選での自民大勝、混乱した日本株市場に安心感の声-株高経験則も</p><p>10日投開票の参議院選挙は、自民党が単独で改選議席の過半数を獲得して大勝した。週明けの日本株は米リセッション(景気後退)懸念の後退も追い風となり、安倍晋三元首相が銃撃された先週末の動揺を払しょくする動きとなっている。</p><p>岸田首相 Photographer: Toru Hanai/Bloomberg 10日投開票の参議院選挙は、自民党が単独で改選議席の 過半数 を獲得して大勝した。週明けの日本株は米リセッション(景気後退)懸念の後退も追い風となり、安倍晋三元首相が 銃撃 された先週末の動揺を払しょくする動きとなっている。 岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは「参院選の結果は事前想定から大きなサプライズがないものの、8日場中に発生した安倍元首相への銃撃報道を受けて混乱した株式市場に一定の安心感を与える」と評価する。 8日午後の株式市場では、安倍元首相銃撃報道を受けて政策不透明感などから主要株価指標が急速に伸び悩み、前日に比べて一時391円高まであった日経平均株価は終値で26円高まで伸び悩んだ。先週末の雇用統計が堅調な雇用情勢を示す内容だったこともあり、週明けの主要株価指数は8日高値を上回るなど大幅高で始まっている。     市場の一部で不透明感が意識された金融政策については、現在のところ早期に修正を予想する向きは少数派。ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフエコノミストらはリポートで、大規模金融緩和や円安推進派で最大派閥を率いる安倍氏の訃報があったものの、金融政策の修正には至らないとの見方を示す。 現在の財政・金融政策の役割分担を最終決定したのは岸田首相であることやグローバルにリセッションリスクが高まっていることなどがその背景と馬場氏は指摘している。 東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、自民大勝が岸田内閣の「安定政権化につながる」ことから、日本株のプラス材料になるのは間違いないと語る。同氏によると、1968年以降の参院選での自民勝利は6ケースあり、日本株は選挙の5カ月後に平均7-8%高、10カ月後に同14%高と株高につながる経験則がある。 一方、岡三証の松本氏は、安倍元首相の死去が株式市場に与える影響は短期的に「中立」としながらも、財政再建派と見られてきた岸田首相の政策に積極財政派の意見が強く反映されてきた背景には、自民党最大派閥のリーダーだった安倍氏の発言力が大きかったためとも分析。中期的には「新しい資本主義の実現に向け一連の成長戦略が着実に実行されているかを注視すべきだ」とみていた。 最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中</p>