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Image:DANIEL CONSTANTE/Shutterstock.com

これまでサムスン製スマートフォンのフラッグシップ機には、自社開発のExynosチップとクアルコム製チップの2種類が採用されてきた。たとえばGalaxy S22シリーズの場合、日本や北米等では「Snapdragon 8 Gen 1」、欧州や中東では「Exynos 2200」搭載のモデルを投入し、販売地域によりチップが使い分けられている。

しかし次期「Galaxy S23」シリーズでExynosチップは採用されず、全モデルがクアルコムの「SM8550」(Snapdragon 8 Gen 2のコード名)になる可能性が高いとのアナリスト予測が伝えられている。

アナリストのMing-Chi Kuo氏は、Galaxy S23ではサムスン製のExynos 2300が採用されないかもしれないという。なぜなら、あらゆる面でSnapdragon 8 Gen 2が優れているからとのことだ。またこうした決定は、Android市場におけるクアルコムの優位をさらに強固なものにするだろうとKuo氏は付け加えている。

Exynosチップがクアルコム製チップより劣ることは、以前から何度も指摘されていたことだ。たとえばGalaxy S22 Ultraの両モデルを比較した結果、バッテリー持続時間と動画撮影性能ともに、Exynos 2200がSnapdragon 8 Gen 1を下回るとの報告もあった

またアプリやゲームの動作も、クアルコム製のほうが安定しているとの定評もある。先月リリースされた人気ゲーム『Diablo Immortal』も、一部のExynosモデルでは動かないとの苦情が相次いでいた

サムスンはAMDと提携して数年を費やし、ようやくExynos 2200を市場に送り出した。しかし同チップはアプリ動作のほか、GPSも正常に動かないなど多くの問題を抱えることになっている。

先日サムスンが「スマートフォン向け独自プロセッサー」を開発しているとの噂が報じられていたが、それが既存のExynosチップと、どのように違うかは明らかではない。

アップルは独自開発チップのAシリーズをiPhoneに投入して成功を収め、その延長上にMacやiPad Pro向けのMシリーズ(M1やM2、M1 Proなど)がある。サムスンもその後に続こうとしているものの、思惑通りにいかないのかもしれない。

このままExynosが消えていくのか、それともサムスンが新たな一手を打ち出すのか、今後を注視したいところだ。