2022年4月14日、ついに先行公開された「ホンダe:HEV。発売は7月開始を予定しており、現在は特設サイトが公開中だ。
そんなシビックe:HEVに自動車評論家 鈴木直也氏が試乗。新開発の2L直噴エンジンを組み合わせたe:HEVは、エンジンの鼓動をビンビン感じさせる、エンジン派も納得のシリーズハイブリッドだった!!
●ホンダ シビックe:HEVのここがポイント
・エンジンは新設計、新開発された直4、2L直噴アトキンソンサイクルをシビックe:HEVで初採用
・駆動用モーターはアコードにも搭載する135kW/315Nm
・バッテリー、IPUはコンパクト化して後席下に搭載
・車重は1.5Lターボ仕様に対して+100kg
・重心はマイナス10mm、リアボディねじり剛性+3%
※本稿は2022年4月のものです
文/鈴木直也、写真/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2022年5月26日号
【画像ギャラリー】「ハイブリッド車中1、2を争う面白さ」!! シビックe:HEVをギャラリーでチェック!!!(14枚)画像ギャラリー
■サワヤカ系ハンサムに熱い鼓動を感じた!
新型シビックのデザインはサワヤカ系。
低いベルトラインをまっすぐ通したクーペフォルムは、シュッとしててとてもハンサムで、素直で品のいい好青年というイメージ。
今回試乗したのは新たに追加されたハイブリッド(e:HEV)仕様だ。
で、そのシビックe:HEVの走りだが、意外なことに走りのフィールが凄くエンジン車っぽいのが特徴。
発進からアクセルを深く踏み込むと、クゥォーンといい音を奏でてエンジンが吹き上がり、ステップATでギアを刻むようにエンジン回転数を変化させつつ加速してゆく。
e:HEV用に新開発された2L直4エンジンは141ps/18.6kgmで、走行用モーターは135kW/315Nm。
何も知らずに乗ったら、めちゃめちゃトルク特性のよいNAエンジンと勘違いする人もいるドライブ感覚。
もちろん、この内燃機関ライクな走行感覚は、モーター制御ソフトが創り出した擬似的なものではあるのだが、それがやけにリアルで、しかもなかなか心地いいのだ。
ホンダのe:HEVは基本シリーズハイブリッドで、タイヤを回すのは主に駆動用モーター。
日産e-POWERのようにEV感覚をウリにするのが普通なのに、デザインと同じく逆張りを目指してるのかもしれませんね。
エンジン車ライクな走りが楽しくてついアクセルを踏み過ぎていたのに気づき、今度は普通に大人しく走る。
すると、シビックe:HEVはさっきまでとはうって変わってジェントルに変身。積極的にモーター走行を多用して電動車っぽい走りを演出する。
電池残量とアクセル操作次第だが、発進後10〜30km/hあたりまでモーターのみで加速し、その後はエンジンが始動してシリーズハイブリッドモードに移行。
フィットではややエンジン騒音が気になったe:HEVだが、遮音の手厚いシビックではエンジン騒音は上手にコントロールされていてストレスがない。
また、100km/h前後から状況次第で直結クラッチが作動しエンジンが直接タイヤを駆動しはじめるが、神経を集中していても感知できないくらいそのオン/オフはスムーズ。
このモードは高速燃費の改善に効果大で、燃費計を見るかぎり単純高速巡航ならWLTCモード値の20km/Lを余裕でクリアするはずだ。
■大きなアップダウンや深いコーナーではハイブリッド車屈指の面白さ
新型シビックのもうひとつの魅力はシャシー・プラットフォームの出来がいいこと。約100kg車重増のe:HEVでもその魅力は健在だ。
ハンドリングは上質なスポーツセダンのお手本。正確なステアフィール、追い込んでも粘る前輪の食いつき、パワーオフや外乱に対してしぶとく踏ん張る後輪グリップなど、俗に言う「懐の深い操安性」がドライバーに大いなる安心感を与えてくれる。
試乗した伊豆サイクルスポーツセンターのコースは、大きなアップダウンや深く回り込んだコーナーなど変化に富んだレイアウトだが、こういったシチュエーションではハイブリッド車中1、2を争う面白さといっていい。
1.5Lターボではやや硬さが見られた乗り心地に関しても、車重の増加とタイヤの違いが影響したのか、よりしっとりしてイイ感じ。
セダンらしい快適さと静粛性も一級品のレベルに仕上がった。
ホンダのハイブリッドはどんどん進化している。それを実感した新型シビックe:HEV試乗でした。
【画像ギャラリー】「ハイブリッド車中1、2を争う面白さ」!! シビックe:HEVをギャラリーでチェック!!!(14枚)画像ギャラリー
投稿 ピュア内燃機関モデルと勘違いする人がいそう!!? 新型シビックe:HEVに「エンジンの鼓動」を感じた!! は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。