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Image:NASA, ESA, CSA, and STScI

NASA、欧州宇宙機関(ESA)、カナダ宇宙庁(CSA)が共同で運用する、次世代の宇宙天文台「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」から届いた初の画像が、7月12日にジョー・バイデン米大統領によって公開された。

事前にNASAは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた最初の画像として、りゅうこつ座のイータカリーナ星雲、NGC3132環状星雲、巨大ガス惑星WASP-96 b、ステファンの五つ子銀河、そしてSMACS 0723の5つを公開すると予告していた。しかし急遽、NASAに先駆けてバイデン大統領により「最初の1枚」が発表されることになり、どれが選ばれるか注目を集めていた。

7月12日の午前7時45分(日本時間)に始まったオンライン配信。そこでお披露目されたのは、事前の予告でもっとも地味に紹介されていた、SMACS 0723銀河団の鮮やかな姿だった。

この画像のなかには、46億年前に出現した銀河団が色鮮やかに映し出されている。このたった1枚は、12時間半もの時間をかけて、光の波長ごとの画像を近赤外線カメラ(NIRCam)で取得し、合成されたものだ。なお、この画像に含まれるのは、“夜空に向かって伸ばした腕の先に乗った砂粒” ほどの範囲でしかないという。

SMACS 0723は、多数の銀河がもつ質量が結合されて重力レンズの効果を生み出しており、背後にある遥か彼方の銀河を大きく引き延ばし、歪めて見せている。今回の宇宙望遠鏡では、こうした遠くの銀河にフォーカスし、これまで見ることができなかった、小さく暗い銀河や星雲の存在を明らかにするだろう。

ハッブル宇宙望遠鏡の撮影写真で作成した画像(Image:NASA, ESA, G.Illingworth, D.Magee, and P.Oesch, University of California, Santa Cruz,R. Bouwens (2009))

また2009年にNASAは、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した “数十年分の写真” を組み合わせた深宇宙の画像(Ultra deep field image)を公開している。宇宙は約137億年の歴史をもち、ハッブルは約132億年前の(つまり、約132億光年離れた)銀河を観測できた。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡ではハッブルよりもさらに遠い、ごく初期の宇宙の姿を観測することが期待される。

なお冒頭で触れたように、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の画像を公開するオンライン配信が、7月12日23時半(日本時間)に予定されている。ここではNASAが発表した5つの撮影対象のうち、残る4つの画像が公開されるはずだ。