もっと詳しく

 FIAは、F1のグラウンドエフェクトマシンのポーパシングとバウンシングに関する監督方針の導入を、ベルギーGPまで延期することに合意した。

 FIAはモントリオールとシルバーストンで発行された2通の技術指令書に基づき、マシンのバウンシングとボトミングを制限させるために考案された垂直方向のバウンシング測定基準値をフランスGPで導入する予定だった。また、マシンのフロアの柔軟性を取り締まることも計画されていたが、金曜日にシュピールベルクで行われたF1コミッションの会議を受けて、厳格な監視と規制はF1のサマーブレイク後まで延期されることになった。

 FIAは声明のなかで次のように述べた。

「マシンの垂直振動(ポーパシングとも称される)に関連する、安全上の懸念に対処するための技術指令書草案について協議が行われた」

「チームのフィードバックおよび協議を受け、チームが厚板や滑剤に必要なアップデートを行えるようにし、すべてのマシンにこの振動を測定するための測定基準が公平に適用されるようにするため、イギリスGP前にチームに発行された技術指令書案はベルギーGPから適用されるものとする」

「カナダGPより実施されているFIAによる管理強化は今後も継続される」

「2023年のテクニカルレギュレーションでこの問題に対処するためのいくつかの行動案についても話し合いが行われ、技術諮問委員会への明確な方向性が示された」

シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2022年F1第11戦オーストリアGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

 FIAが延期を決めたのは、技術指令書に対する直接的な批判を受けてのことだった。特にレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーが、技術指令書に含まれる決定内容が、FIAによるシーズン途中の違法なレギュレーション変更に相当すると述べたのだ。

「技術指令書は規制変更を行うものであるべきではない。そのための規定と手続きがあるのだ」と先日シルバーストンでホーナーは語った。

「だから我々はなぜ技術指令書が発行されたのか、きちんと話をする必要があると思う」

「今回のレース(イギリスGP)では、それほどポーパシングは見られなかったようだった。だから各チームは解決しているところなのだ。私は技術指令書の介入は必要ないと感じている」

クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)
2022年F1第10戦イギリスGP クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)